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モラゲス聴いてきました

パスカル・モラゲス&アマティ弦楽四重奏団, 6/20, 第一生命ホール
を聴いてきました.プログラムは弦楽四重奏二曲(ベートーヴェン&シューマン)とモーツァルトのクラリネット五重奏曲.
入りは5割~6割程度でしょうか・・・学生っぽい女性が多いように感じました.クラリネットケースを持った方もちらほらと・・・
室内楽の演奏会なんて何年ぶりという感じだったので,開始早々は,音の出方にとまどいました.何か音が上に抜ける感じでまとまって前に出てこない感じ.これはステレオの聴きすぎかもしれないし,もしかしたらホールの特性かもしれない.アマティ弦楽四重奏団は,モダンな感覚もある,実力のあるアンサンブルであると思いましたが,2曲のうちではシューマンのほうが,個性的でおもしろく感じられました.ベートーヴェンはもう少し「らしく」ても良いように思いました.
さてメインのモーツァルトですが,モラゲスさん登場で・・・第一印象は「えーちっちゃいんだねー」と女子高生的(失礼・・・)な反応.パリ管の演奏会でみたときは気にならなかったけど,回りがでかいせいかそう感じました.
さて一楽章開始.出だしのパッセージで音が鳴りきってない.この曲は最初の入りが勝負だと思っているのだが,ダメではないが,魅力的とは言えない.ここは驚かせることができないと・・・.改めて思ったが,デビュー当初の音のつくりとはかなりかわっている.デビュー当初のほうが,音がコンパクトでやや細めだがとても丸い音だったように思う.今は幅・厚み重視であるが,やや荒く・フォーカスが甘く,リードもあまりあってないように聞こえる.モーツァルトをやる音としてはやや荒いと感じる.自分はデビュー当初の方の音が好きだ.現在のようなアプローチなら,多分似たようなことができる人は他にもいる.
ニ楽章開始.出だしですっと出られず失敗.難しいところではあるがプロとしては初歩的なミス.
その後は悪くはないが,抜群というほどの魅力もない.
三楽章くらいから調子出てくる.四楽章は悪くなかったと思う.16分音符の分散和音のパッセージでのリードミスはご愛嬌だろう.でもちょっと可哀想だった.
アンコールはモーツァルトの五重奏の3楽章のTrio以降と2楽章でした.2楽章は本プログラムよりも良い出来.面目躍如でした.
総じて観客の反応は良かったようです.弱音が美しかったとか,響きが大きく美しいなどの声がちらほらと聞こえました.一緒に聞いた人達も満足していたようでした.しかし,私個人的には,世界で指折りのプレーヤーであるわけだから,もう少し上のレベルを期待したかったです.


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