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Sym.2, Hindemith Variations / Weber Variations: Szell / Cleveland.o : Walton / Hindemith

Sym.2, Hindemith Variations / Weber Variations: Szell / Cleveland.o : Walton / Hindemith | HMV ONLINE – SRCR-2559.

ヒンデミットは現代の演奏や録音のレベルから考えると,古いのかなという感じ.Waltonはちゃんと聴いたのは初めてだが,何かイギリスの吹奏楽オリジナル曲みたい・・・って,本当は影響が逆なんだろうけど・・・.本流じゃない第三世界的なおもしろさというか.セルがこういう曲の録音を残しているのは興味深い.

春の祭典、ペトルーシュカ、『火の鳥』組曲 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団、ニューヨーク・フィル、BBC交響楽団

春の祭典、ペトルーシュカ、『火の鳥』組曲 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団、ニューヨーク・フィル、BBC交響楽団

春の祭典は名盤として有名だが,改めて聴いてみても,正確さも迫力もある大変良い演奏であるように思えた.ニューヨーク・フィルとのペトルーシュカは自分の愛聴盤だった.原典版であることもあるのか,録音の関係なのか,非常にシンフォニック(?)というかスケールの大きな感じのする演奏なのだが,今はもう少しすっきりした良い演奏があるのかもしれない.火の鳥は1911年版っていいなと聴き始めるのであるが,ここで終わっちゃうのか・・・となってしまう.最近はあまり取り上げられないわけだ・・・.

ピアノ協奏曲、ピアノ曲集、歌曲集、ナポレオンに寄せる頌歌 グールド、クラフト&CBC響、ジュリアード弦楽四重奏団、他

ピアノ協奏曲、ピアノ曲集、歌曲集、ナポレオンに寄せる頌歌 グールド、クラフト&CBC響、ジュリアード弦楽四重奏団、他

シェーンベルクをいろいろ改めて聞き直してみると,ピアノ独奏曲が一番わかりやすいというか,美学が伝わりやすいという気がする.その対極は協奏曲で,何かピンと来ないし,シェーンベルクには不向きなように思える(協奏曲はどこかドラマ的でシェーンベルクとの相性が悪いのだろう.ベルクのほうが相性がよい.).自分の感覚では,ピアノ独奏>室内楽>歌曲>>オーケストラ>協奏曲,といった感じだ.ということで,このCDなんかはもっと多く聴かれてもいいんじゃないかと思う.ピアノ独奏曲は皆とても美しい.ナポレオンに寄せる頌歌も比較的理解しやすい晩年の傑作である.

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク

これはブーレーズの偉大な仕事と言って良いだろう.ブーレーズは「シェーンベルクは死んだ」とか言ったけど,シェーンベルクの美学をとても良く把握し,実現している.ブーレーズがいなければ,我々はシェーンベルクを身近に理解することはできなかっただろう.いろいろ素晴らしいが,自分は特にアンサンブル・アンテルコンタンポランとの室内楽の演奏(組曲・セレナーデ等)が好きだ.ここでは全盛期のアリニョンのクラリネットを聞くことができる.それまで誰もできなかったクールで超モダンなスタイルがある.現代クラリネットの祖というべきか.

展覧会の絵、禿山の一夜(原典版) ドホナーニ&クリーヴランド管弦楽団

展覧会の絵、禿山の一夜(原典版) ドホナーニ&クリーヴランド管弦楽団

オーケストラがうますぎる?変な演奏(自分は嫌いじゃないが).原典版禿山はイマイチ価値がわからない.

ラサール四重奏団/ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲全集

ラサール四重奏団/ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲全集

これはラサール四重奏団の名演.曲はブラームスとシェーンベルクの中間といった感じで,不思議な感じだがおもしろい.

ベルク:ヴァイオリン協奏曲(室内アンサンブル版)、ほか ラーデマッハー、リノス・アンサンブル

ベルク:ヴァイオリン協奏曲(室内アンサンブル版)、ほか ラーデマッハー、リノス・アンサンブル

ヴァイオリン協奏曲は正直微妙.オーケストラにある色彩感がないのが裏目に出ている感じ.それ以外の歌ものはわりと良い感じ.

『ルル』全曲 プティボン、ピィ演出、ボーダー指揮、リセウ劇場管弦楽団(2010)

『ルル』全曲 プティボン、ピィ演出、ボーダー指揮、リセウ劇場管弦楽団(2010)

購入.新しいから絵も良いし,(舞台効果等も含めて)ルルにはまだ開拓余地があるということは素晴らしい.オーケストラは悪くはないが,ロンドン・フィル(ルル=シェーファーの版)に比べるとやや非力か.

ブロムシュテットのヒンデミット集

“Orchestral Works” (Hindemith, Sfs, Lgo, Blomstedt)

ヒンデミット大好き人間(好きな作曲家ベスト5に入る)である私の愛聴盤である。オケはサンフランシスコ響である。オケに力がないのではないかと思って、買わない人もいると思うが、この組み合わせは結構良い仕事をしていると思う。他にシベリウス交響曲全集がでているが、これも好演である。非常に録音が良いのが特徴である。バランスよく豊かな響きで録音されている。

一番好きなのは、「ウェーバーの主題による交響的変容」である。軽薄と言われようと、でもかっこいい。このモダンとクラシカルな感じが入り交じった独特な雰囲気がとてもよい。あの変態的なマーチがとても・・・。この曲には、アバド・ロンドン響の名演もあるが、この演奏も甲乙付けがたい(一方、アバド・ベルリンはイマイチである)。クラリネット的には3楽章の出だしにソロがあったりはするが、それほどおいしいという曲でもない。ヒンデミットはクラリネットに名曲を残していると思うが(ソナタ・五重奏)、オケ曲ではそれほど魅力的なソロを残していないような気がする。一度はやってみたいと思うが、アマチュアが簡単に取り組めそうな曲でもない(スコアを見るとシンプルでびっくりするが)。というより、選曲してもらえないだろう・・・

 

チョン・ミュンフンのシェヘラザード

“Scheherazade / Firebird Suite” (Dg Imports)

シェヘラザードを目的に購入。指揮者の明確な指針と、トレーニングされたオーケストラと、バランスのとれた録音と、三拍子そろった好演。シェヘラザードは名曲の割には、意外にあまり良い録音がないと思っていたので(ロストロは派手すぎ・カラヤンはやや雑?・ストコフスキーは録音と木管に難が・・・等等)、貴重だと思う。火の鳥は元々名演が多い曲なので、わざわざこれを聞くこともないとは思うが、これはこれでおもしろい。バランスよくまとまっている感じ。

チョン・ミュンフンは、「通な」人から見れば、深みがないとか言うのかもしれないが、このようなちゃんとした演奏を提供してくれるのは、(アマチュア演奏家な)我々にとってとてもありがたい。録音はいわゆる「作った音」という感じである。ライブが主流の最近の録音では、こういうものはほとんどないと思う。しかし、自分は(カラヤン時代から進歩を重ねた)こういう作った音がとても好きなのである。

 

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