某匿名掲示板では散々な言われようだったですが,自分は結構楽しめました.自分としては,彼のDomainesが聞けるだけで十分でした.モダンなセンスは健在だったのではないでしょうか.ブラームスソナタNo1は丸くなったなという感じがしました.フレーズを大きくとって,意外とオーソドックスかなと・・・.昔(オペラ座のソリストだったころとか)は,古典をやるともっととがった演奏になっていたように思います.フレーズをもっとぶちぶち切ったり,ヘンなアクセントを強調してみたりとか・・・.Arrignon氏は,モダンなクラリネット像を作った偉大な奏者の一人であり,その人が年を重ねてこうやって演奏するのを聞くと,感慨深いものがありました.メンデルスゾーンの二重奏は確かに初見のような演奏でしたが,もしかすると,使用する版が違うと思っていたのでは??と思いました(原曲はバセットとの二重奏だが,クラリネット二本のために編曲されている.編曲には,ほぼ原曲をそのまま移し変えた版と,2人を対等に扱うようにいろいろいじっている版がある.この演奏は後者.).とまどって吹いているように感じました.