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演奏事故の反省

先日の演奏会のバルトークのラストが空中分解した、という話をしたけれども、それがどのようにしておこったのか検証してみたいと思う。失敗を反省することは大事である。録音をupするときは原則自分以外の演奏を入れないようにしているのだけれども、ちょっと失礼させていただいてやや長めに入れている。時系列に起こった事件を記録してみる。
0:00 Hrがritして次に受け渡す(ここまではOK)
0:02 Solo Vnが拍節感のない不可思議な動きをする→ここで自分はテンポがわからなくなった
0:06 Piccソロ→よく入ったと思う。自分の中のテンポで入ったのだと思われる。
0:08 Clソロ(私)→指揮とはずれている感じなのだが、何とか巻き返そうとする。しかし、その結果細かい音で急いでいるのがわかる。
0:15 再びPiccソロ→この辺で少し安定しつつある
0:24 Vnの次にOb→これは多分正しい
0:29 木管の16音符の出だしの指示を指揮者が間違える。聴いた感じだと1拍早いようだ。
→ここでCl(私)は指揮者の指示に従って出てしまう。
→Flは完全に落ちる。
→Piccはかろうじて入ることができて何とか曲はとまらなかった。
まあ、指揮者が振り間違えたのが悪かったという単純な話なのかもしれないが、一つ、検証されなければならない点として、
・私は指揮に従うべきだったのか?楽譜に従うべきだったのか?
ということがある。指揮者とはいえ絶対ではないから、事故は起こりうる。全体で演奏する場合にこのような事故に対応するのは、コンマスだろう。しかし、ここは極めて楽器の薄いところであるから、その原則は通用しにくい。
言い訳になるが、あの状況で指揮を無視するのは極めて難しい。指揮者の指示に反射的に出てしまったというのが本音だ。すいません。しかし、あそこで出なかったら完全に音が消えた可能性がある。パニックになりながらも音がとぎれなかったことはラッキーで(とぎれるととぎれないでは大分印象は違う)、許していただきたい。
しかし、そもそもの原因を考えると、0:02の時点で拍節感が完全に失われ、オーケストラ全体のコントロールが失われたことにあると私は思う。せめて弾かないでくれたらここまでパニックにはならなかっただろう。うちの指揮者はこういうシチュエーションで奏者にあわせようとする(世にはそうでない人もいっぱいいる)ので、基準がわからなくなってしまうのだ。

指揮者の表面的なミスを責めるのではなく、本質的な原因を追及すべきと思う。


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