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Signatureのバレル長の謎

自分の持っているSignatureには64mmと65mmのバレルが付いていたから、64mmがA管で65mmがB管だと思い込んでいて、そう使っていた。しかし、最近のセルマーのカタログには、なぜか両方ともに63mmと書いてある。これは不思議である。長さが違うし、両方とも同じというのも疑問だ。PrivilegeはA・B共通と主張しているが、Signatureではそんなこともなかった気がする。もしかして音程設計が変わったのだろうか(考えづらいが)。

まず、楽器を試奏したついでにアクタスのお姉さんに聞いてみた。理由はわからなかったが、わざわざ実際の楽器を確認してくれた。それでB管は63mmと65mmが付属していることがわかった。これでさらに疑問が増えてしまった。普通、ピッチの差を吸収するために2本つけるときは、1mm差という場合が多い。なぜ2mmという大きな差になっているのか?

次に、本家のセルマー・パリのホームページを調べてみた。そこで何となくの自分の仮説が立てられた(本当のところは、関内にいる野中の技術部隊に聞けばいいんだろうけど)。

そこでわかった驚くべき?事実は、SignatureのB管には442と440の2種類の楽器があり、A管は441のピッチなのだ(それを知らなかった自分もどうかと思うが)。ここで一つツッコむと、A管を441の1種類しか用意しないセルマーは手抜きだろう。最上位機種にコスト削減持ち込んでどうすると思う(こんなだからPrivilege作ったんだろうけど)。

そこでバレル長はこうなっている。

  • 440(B) : 62.5mm・64.5mm
  • 442(B) : 63mm・65mm
  • 441(A) : 63mm・65mm

自分の仮説は、441のA管は、63mm->442、65mm->440という組み合わせが想定されているのではないか?ということである。A管とB管を違うピッチで吹くことはありえないのだから。自分の楽器は442だが、65で442になっているように思える。A管は64mmでも低いという感じは持っていたから、その感覚と上の仮説は近い。442のB管と441のA管を買って、65mmをB管で、63mmをA管でという使い方が標準的なのではなかろうか。ピッチ低めのアメリカでは、440のB管と441を65mmで使うのだろう。

で、自分の楽器を振り返ると、なぜ63mmではなく、64mmが入っていたのか?が問題になる(謎)。しかも、自分は最近ずっと64.5mm(Backun)で吹いていたのだ。これでは442にピッチが合うわけがない・・・ということで、近いうちに63mmのBackunのバレルを買いに行こうと思う。


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