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第615回定演:ビゼー「カルメン組曲」間奏曲より

カルメン組曲は管楽器の出番は多いが、クラリネットにもそれなりに活躍の場は与えられている。間奏曲はフルートの曲と言えるだろうが、クラリネットは冒頭のフルートのテーマを受け継いで、フルートと美しい二重奏を奏でる。
さて、この曲をやるのは吹奏楽も含めると、4回目になる。2回目の録音が残っていて、それと比較してみたが、今回のほうが、荒め・ややダイナミック、前回は、丁寧・ドライという感じだった。あまり年輪を重ねたという感じの演奏ではないのは残念だ。
このフレーズのブレスについて。このソロは休符がちゃんと途中に入っていて、そこで息をとればもつように出来ている。しかし、リードが厚めになるとこれが間に合わなくなる。また、クレッシェンドを早くしすぎても息が足りなくなる。そうすると頂点近くでブレスをとることになってみっともない。きちんとしたブレスコントロールが要求される。

イベール「5つの小品」より

またもや前回演奏会からの抜粋のup。この曲はクラリネットの見せ場はあまりない。他の2人(Ob・Fg)に迷惑がかからないで外に出せるところというと、ここくらいしかない。3楽章の冒頭、一瞬である。実はここは練習では常に急いでいて(2+1が詰まった感じになり、次の6つが転ぶ)、本番だけ少しまともにできた。
前にも書いたが、トリオ・ダンシュ(Ob・Cl・Fgのトリオ)は結構曲が難しい。古い曲があまりない。レパートリーはほとんど20世紀フランスの作曲家で、フランセ・ミヨー・ボザ・トマジ・シュミット・・・良い曲はいろいろあるが、どれを選んでも茨の道だ(ミヨーのパストラールが簡単そうなので試しにやってひどい目にあったことがある)。その中で、このイベールの曲は比較的とっつきやすい。
5つの曲は、急・緩・急・緩・急で、緩の2曲が非常に美しい。急の3曲は軽快でいかにもフランスといった洒落た曲だ。
トリオ・ダンシュは、メジャーな編成である木管五重奏に比べると、出番が多くてきつい。1回通すとぐったりしてしまう。しかし、メンバーに恵まれればスリリングでおもしろい(Hrがないっていうのはバランスの問題がなくなるからいいね)。今回のアンサンブルもとても楽しかった。

プーランク「2つのクラリネットのためのソナタ」より

先日の演奏からの抜粋である。2楽章の最初の主題の提示である。外に出せるのはこれくらいしかない。この後、オクターブ高い動きになるが、ピッチがぶら下がっている。本当は、1楽章と3楽章が特徴があっておもしろいのだが、難しいし、2ndパートが目立つので出せない(無許可だから)。
この曲は、B管とA管のDuoという非常に珍しいもので、その特徴の違いを上手く生かした貴重なレパートリーである。

第614回定演:フォーレ「ペレアスとメリザンド」シシリエンヌ

シシリエンヌはフルートの曲だ。しかし、終結部に重要なソロがクラリネットに割り当てられている。
Pelleas3
分散和音で上がるクラリネットの典型的なソロだ。こういうのはきちんとやらなければならない。スタートがmfだから結構思い切って入る必要がある。上昇音型でのdimはちょっと難しいが、自分はあまり意識せず(意識すると貧弱になりそうだったからだ)、登り切ったところでちょっと減衰するくらいにして、dimの位置を後ろに下げるという方針をとることにした。さて結果はどうだったか・・・失敗・・・。上昇しているときにバックとずれた(後ろにも責任はある)。自分は基本的にサクサクと行きたいので、ちょっと待つ感じになってしまった。そして最高音に着いたところで、着地点を見失った。で、こんな具合に引っかかってしまったのだ。残念。あとちょっと小さくしすぎた。限界までいけるかなと思ったけどやりすぎた(何か懺悔の場と化しているな・・・)。

第614回定演:フォーレ「ペレアスとメリザンド」前奏曲より(2)

前奏曲のラストはクラリネットに重大な役割が与えられている。
Pelleas2

最後に冒頭の主題が再現される直前、このソロがある。この箇所の最大の問題点は、普通の人では一息で吹ききれないことだ。自分は3枚のCDを持っているが、それぞれ以下のような解決をしている。
解決1)(多分)二人で吹く(スイスロマンド)
解決2)6小節目のGとEの間で息をとる(ボストン)
解決3)7小節目のGとFの間で息をとる(フィラデルフィア)
解決1はよほど二人の音色がそろっていないと難しい。解決2・3はcresc.の頂点で息をとることになるので、自分には選択しづらかった。自分がとった解決法は、
解決4)6・7小節目の境で息をとる(私)
だった。その分ちょっとcresc.を遅らせた。cresc.の途中で息をとると目立つからである。曲を知っている人はがっかりかもしれないが、自分はこういうときは割り切ってがっちり息をとってしまったほうがよいと考える。自分の演奏はどうだったか。まず3小節目の出だしをミスった・・・(録音に残らないかと思ったけど甘かった)こんなミスは練習ではなかったのに・・・本番は怖い・・・。ブレスはそれほど不自然ではないと思うがどうだろうか。今回はちょっと音が暗めだったかな・・・。

第614回定演:フォーレ「ペレアスとメリザンド」前奏曲より

さて、それでは前回演奏会を楽譜とともに振り返ってみよう。
Pelleas1

この曲で重要なソロを3つほど取り上げてみたい。まず第一回は前奏曲より、冒頭の主題の再現だ。この主題は大変に美しい。この主題のポイントは最後のE-D-Eの動きだろう。ここを如何に上手くやるかが勝負の分かれ目だ。さて自分の演奏はどうだろう・・・うーん・・・何かひ弱になってる・・・これをセンス良くやるのは容易ではない・・・その前もちょっとしみじみした感じじゃないし・・・音程もちょっと違うし・・・音もあまり良くないし・・・改めてちゃんと聴き直すと反省点ばかりが・・・

JAO宮崎大会:ニールセン「不滅」第二楽章再現部

こちらはB管だ。この頃は大分落ち着いてきて演奏することができていて、押す感じも少なくなっている。Fisの音を使わなければいけないところで、若干音が開く感じがある。また音の輪郭が若干A管よりもはっきりしているような気がする。
両者の比較では、出来は落ち着いている再現部のほうがマシなものの、ややA管のほうが音が落ち着いている感じがするがどうだろう。やはり管による音の差というのはあると思う。それでは、管の選び方についてどういうポリシーを持つべきかという論になるが、ちょっと長くなりそうなので続きは明日とする。

JAO宮崎大会:ニールセン「不滅」第二楽章冒頭

2006年の全国アマチュアオーケストラフェスティバル宮崎大会の自分の演奏だ。この演奏を取り上げたのには訳がある。先日の楽器違いの音色比較が少しおもしろかったので(自己満足だが)、その続編をやってみようということなのだ。それはオケのクラリネット吹きなら、誰もが興味があり、苦労もする、A管とB管の差だ。
不滅の第二楽章では、全く「同じ音」のパッセージをその冒頭と再現部で、A管とB管で吹き分けなければならない。「同じ」音だから、吹く方は半音ずれるわけだ。半音ずれたパッセージを吹かされるほうはたまらない(その苦労はきっと参加者には分かってもらえなかったと思う。ファゴットは同じ音だからずるい・・・)。その意図は、自分にはイマイチわからないのだが(持ち替えはきついというほどではないので、同じ管で吹こうと思えば吹けないことはない)、それを聞き比べてみよう。
まずは、冒頭。これはA管で吹かれている。この入りというのは、第一楽章の騒々しさが段々と引いていって、完全に静かになった状況で入らなければならず、相当な緊張が要求される箇所だ。寿命が縮む。正直このときはA管がさっぱり鳴らなくてフラストレーションがたまっている状態での演奏だった(本番前にえらい待たされたのだ)。無理に鳴らそうとして押しているのがわかる。(実音の)AやAsがやや低くなっている。かなりあげる努力はしたが、セルマーの楽器の癖だと思う(カルボナーレも低かったから)。最後の方は息が足りなくなっていて、十分に音が鳴っていない。A管のほうが若干息は余計に使うと思う。
B管はまた明日・・・

第543回定演:メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」より

私が最初にクラリネットが美しいと思ったのは、このフレーズだ。典型的な三度を中心に動く二重奏で、曲が終結に向ける手前に据えられていて、大変印象的だ。メンデルスゾーンの曲には、これに限らず、クラリネットが重要な役割を果たしているものが多い。スコットランド・イタリア・真夏・・・。皆クラリネットはすばらしい(でもちょっと大変だ)。この曲を演奏することができたのは大変にラッキーだった。2ndの支えもあって、そこそこ満足できる出来になった。2000年だからもう9年も前のことになる。
ネタがなくなると過去演奏公開します・・・

第593回定演:ショスタコービッチ「交響曲第5番」第1楽章より

過去の演奏(ソロ部分)を時々upします。podcastで配信できるようになりました(Nifty時代の話。現在はpodcastはなし)。そのテストを兼ねています。2年半前のタコ5の第1楽章のソロ。

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