クラリネットオタクの好きな話の一つとしてリガチャーがあります。うまい人見てると、何使ってもうまいんで、もう関係ないなあと思ってしまいますが、やはりこの手の話ははまります。
非金属素材について
私は基本的に、非金属系のリガチャー(ロブナー・ジリオッティなど)が苦手です。糸巻きについては経験がないので、不明です。非金属素材に共通する特徴としては、吹いたときに高次の倍音が抑制されるような印象を受けます。それが、独特の柔らかさに繋がるときもあります。しかし、やっぱり倍音を抑制して柔らかさを出すというのは邪道ではないかと思ってしまうのです。もったいないと。私は楽器を鳴らすのが、上手じゃないほうなんで、基本的に非金属系のリガチャーを使うと音が沈んでしまいます。また、マウスピースはB40を使っているので、反応の悪いリガチャーを使うとボソボソという感じになります。かなり、組み合わせに依存すると思います。オーディオの感覚に近いです。ものすごく楽器を鳴らせる人は非金属系でもいいと思います。例えば、ジリオッティのリガチャーはジリオッティのような、とんでもなく楽器を鳴らせる人が吹くとちょうど良く鳴りを抑制してコントロールされた音になったのかもしれないなあ、と推測しています(本人使っているかどうかは知りません。あしからす)。ロブナーも数年前に試奏したときは、あまり印象が良くなかったです。海外のプロでロブナーらしきものを使っている人がいっぱいいますが(ナイディッヒetc)何で、あんなので吹けるのかなと思ってしまいます。弘法筆を選ばすなのか、特注なのか、不思議です。
ところが・・・何と、私はロブナーEDIIを使い始めてしまいました。詳細は以下で・・・
ウィンスローについて
私がちょっと前まで使っていたのは、ウィンスローという銘柄のものです。これは、とにかく見た目が目立つのが長所です。第一印象が強く、私というとあの変なリガチャーを使っている人ということになっていました。音は結構抜けます。マウスピースとの接点が少ないことが良いのだと思います。点で支えます。問題点は、リードがしっかりとまらんことです。ずれやすい。正確な位置が決まりにくい。オケの持ち替えがつらい。これはちょっと致命的な気がします。だから使っている人を見たことがないのだと思います。でも、あの見た目のゴツサは魅力です。良く覚えてもらえます。(音よりルックスとは言いませんが・・・)。私は一目見て試奏もせずに銀座のヤマハで買いました。今は売っていないようです。SAX用は売っているようです。 Jazzyな人が使うものかもしれません。数年後で反省して、試奏して比較してみました(ロブナー・ボナード・オペラ・ハリソンなどを比較)。ほぼ同等によさそうだったのが、ボナードのものしかなかったんですが、あまり変化なかったんで買うのはやめました。
ロブナーEDIIについて
長年愛用していたウィンスローから、ロブナーEDII(エディーダニエルスモデル)に乗り換えることにしました(2001.4.14)。ウィンスローは音は気に入っていたのですが、とにかくオケでは持ち替えがつらく、持ち替えが楽で、音もそこそこのリガチャーを探していました。クラ吹きMLで、ロブナーは抜けないという発言をしたら、エディーダニエルスモデルはそんなことはない、という指摘を受けて、一度試してみたいと思っていました。最近借用できる機会がありました。そしたら、非常に良い!さすがにハイトーンは、今ひとつ鳴り難さはありましたが、それ以外は問題なく、特にロブナーの最大の問題である低音の抜けが非常に改善されています。とても息が入る吹きやすいリガチャーでした。これに比べるとウィンスローはちょっとキンキンする感じです。同時に、BG・オプティマム・石森オリジナルなどを試しました。 BGはEDIIにやや近いが、でも、抜けない。オプティマムはEDIIの次に良かったが、ウィンスローのほうが、音は良いように思います(慣れかも)。石森オリジナルは、音は良く出ますが固いという印象がありました。「エディーダニエルスモデル」という名前はかなり恥ずかしいものがありますけどね・・・
ボナードはどれが良いのか?
ちなみにボナードについては、金&前止めの印象が一番良かったです。なぜか、金>銀、前>後、という評価でした(金が良い理由がわからん。見た目にごまかされているとしか思えない。でも良い気がするのです。)。この辺は人によって、いろいろあるみたいですね。ユーザで一番見るのは、銀&後止めですね。
ウィンスローについてですが、「リードがしっかりとまらない」とありますが、ウィンスローにはリードを押さえる部分に、ゴム製のクッションがついていると思いますが、それを潰しきるくらいにネジを締めるとリードを固定できるのと、ウィンスロー本来のサウンドになります。試してみてください。今さらですが・・・
すいません.フォロー遅れました・・・
リードを押さえる部分にはゴム製のクッションが付いていなかったような・・・うーん.古いからかなくしたのか・・・
私は、京都でリガチャーを制作している西畑と申します。
今は退団されましたが、NHK交響楽団に所属されておられた、内山先生の使用されていたリガチャーの作者です。
非金属製はお嫌いと、冒頭に書かれてましたが私の作品は、金属とラバーと糸巻きの融合のリガチャーです。土台は銅版を使用しておりリードを抑える部分が綿の紐になっております。基本的にジャーマンなサウンドが欲しくて制作いたしました。土台の金属を替えることで多少サウンドが変わりますが、基本的に私は銅版がベストだと思いましたのでオリジナルは銅版を使用しております。もし興味がお有りでしたらご一報ください。