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アバド礼賛(その1)

古いオーケストラに所属していると、つまらない聞きたくない年寄りの愚痴を聞くこともあるものだ。先日こういうのを聞いた。
「最近の指揮者はつまらねえ。フルトヴェングラーの時代は良かった。アバドなんてどこがいいか全然わからん。」
こういう意見は、割とよく見かけるものだ。しかし、アバドがフルトヴェングラーに比肩できるような指揮者であるかは不明だが、自分は歴史に残る偉大な指揮者だと思っているし、少なくともカラヤン程度には比較しうるだろう。フルトヴェングラーやトスカニーニは偉大だとは思うが、きちんとした録音で聞くことがほとんどできないので、その力量はノイズだらけの音源から推定するしかない。それに比べて、アバドは優れた録音の名演を、私が知る狭い範囲でも、それなりに残しているのだ。それを挙げてみよう。
まずは、彼が得意とする声を含む音楽を2つ挙げる。

 プロコフィエフ/Alexander Nevsky  Etc: Abbado / Lso プロコフィエフ/Alexander Nevsky Etc: Abbado / Lso
販売元:HMVジャパン
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アレクサンドル・ネフスキーはソ連国威発揚の曲なので、軽く見られがちだが、この演奏は圧倒的だ。冒頭からこれまでどこでも聞いたことの無いような鋭いサウンドが炸裂する。ラストの盛り上がりは感動的だ。痺れる。思想信条を超えた名演だ。ちなみに、一緒に入っている「スキタイ組曲」も定評のある名演だ。

ワルシャワの生き残り、ほか アバド&ウィーン・フィル ワルシャワの生き残り、ほか アバド&ウィーン・フィル
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ワルシャワの生き残りが超名演だ。戦慄を覚える「怖い」演奏だ。7分程度の短い曲だが、そこに刻まれた深い内容には感嘆せざるを得ない。戦争の悲劇を克明に伝えている。終結部で合唱が入る部分の圧倒的な迫力。斧が振り落とされるかのような強烈なラスト。
ちょっと長くなったので続きは後日・・・


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