トクヴィル 平等と不平等の理論家 (講談社選書メチエ) 宇野 重規 講談社 このアイテムの詳細を見る |
アメリカに関する論考を見ると、かなりの確率で引用されているのが、トクヴィルの「アメリカのデモクラシー」だ。池田信夫ブログによると、「だれでも知っているが、だれも読んだことがないという意味での古典」なのだそうだ。そこで「アメリカのデモクラシー」を読む前に解説書として本書を読んでみた。トクヴィルは最近(特にアメリカで保守主義が復活してから)見直されているのだそうだ。大統領の演説にはよく引用されるらしい。アメリカのデモクラシーを一種の理想として描いているからだ。それは19世紀のフランス貴族の出である彼の目から描かれている。機会の平等を基本とし、一見、各人が自身の利益を追求しているように見えながら、全体の利益にも繋がるという、デモクラシーの理想型ととらえている。非常に魅力的な思想だ。「ザ・フェデラリスト」と共にアメリカ論の古典として知られている。次は、「アメリカのデモクラシー」本文を読んでみたいと思う。