Isang Yun: Selected Works for Clarinet
アーティスト:Eduard Brunner (Clarinet) |
ブルンナーなんてどこがいいのかわからない・・・と思っている方も多いかもしれないが、彼の本領は現代曲で表れると言えるだろう。韓国の作曲家ユン・イサンのクラリネット協奏曲をその代表作としてあげる。しかし、残念ながらこのCDは廃盤になっていて、中古でしか手に入らない。ユン・イサンの交響曲は、あまりにもナショナリスティックでちょっと日本人な自分らには無理・・・と思ってしまうが、協奏曲については、基本、自我vs.社会みたいなわかりやすい対立軸になっているので、我々にも共感できるものだ(チェロ協奏曲も名曲)。クラリネット協奏曲は難曲だが名曲だと思う。邦人の優れたクラリネット協奏曲が(多分)ないから(アジア人として)この曲は貴重だ。ハイトーンとそれへ向かう分散和音の連続が主要なテーマとなるが、非常に力のある強烈な音楽だ。第三楽章冒頭の重音奏法は非常に感動的だ(楽譜見たけどやり方がわからない)。2楽章のバスクラリネットがイマイチだとか、ツッコミどころはないでもないが、あまり取り上げらない良い曲だと思うので、機会があれば聴いてみて欲しいものだ(日本人誰かトライしないかな・・・)。