教養としてのエヴァンゲリオン(となぜかクラウド)
ちょっとしょうもない話だが・・・
最近、映画館では、エヴァンゲリオン新劇場版「破」が話題だ。
一方、@ITでこんな記事があった。
内容は、Key-Valueストアの入門的紹介という感じで、少なからずの人達に参考になるであろう。その中でこんな記述があった。
最後に、このパラダイムシフトにぴったり当てはまる“セリフ”を、アニメ「エヴァンゲリオン」から引用したいと思います。
「出来損ないの群体として行き詰まった人類を、完全な単体生物へ人工進化させる」(エヴァンゲリオンの人類補完計画)
これを、次のようにいい換えると、いま「クラウドコンピューティング」によって起きていることをいい表せます。
「出来損ないの群体として行き詰まったITシステムを、完全な単体インフラへ人工進化させる」(クラウドによるIT補完計画)
まあ、エヴァを知らなくても何となくわかるだろうが、知っていると少し感じが違う。これも教養となりつつあるのだろうか・・・
樫本大進さん:ベルリン・フィルコンサートマスター就任へ
リンク: 樫本大進さん:ベルリン・フィルコンサートマスター就任へ
就任ということかと思ってびっくりしたが、まだ就任が決まったわけではなくて、1年の試用期間の後、団員投票にかけられるのだそうだ。それでもすごいことだ。安永さんの後継である。
N響アワーで、ベルクの協奏曲を弾くのを聴いたことがある。日本人でこれだけ弾ける人がいるんだと思ってびっくりしたが、プロフィールを見たところでは、日系ではあるが、生まれてから基本的にヨーロッパで暮らしていて、あちらの教育を受けていたようである。
ストラヴィンスキーの交響曲 by ラトル・ベルリン
ストラヴィンスキー/Symphonies: Rattle / Bpo 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
自分は、カラヤン時代のベルリンフィルが好きなので、ラトルのベルリンは特別好きではないが、それでも、その現代的で能力の高い感じはとても魅力的だ。そんなラトルのCDを私があまり買わない理由は録音にある。最近のラトルの録音は、そのほとんどがライブ録音を基にしている。その理由は、ラトルの音楽的な信念によるものなのか、EMIの経費節減なのかはわからない。
自分はライブ録音はあまり好きではない。マイクを付けまくってこてこてに作った感じの録音のほうが好きだ。ライブでは理想的な録音条件というのは得られないと思うからだ。
このストラヴィンスキーも、録音はあまり良いとは言えない。それは残念だ。しかし、演奏のほうは悪くない。細かい所がいちいちうまい。ベルリンフィルのような優秀なオーケストラでこれらの曲を聴くことができるのは幸せだ。この中で一番有名なのは「詩篇」だろう。圧倒的な迫力はないが、ビブラートを抑えた合唱を使った丁寧な演奏だ。一番迫力があったのは、「3楽章の交響曲」だった。
露悪小説:ブコウスキー
ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫) チャールズ ブコウスキー 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
アルコール・嘔吐・下ネタ・・・満載の露悪的な短編小説集。自分を題材にした私小説的なものもいくつかある。自分は冒頭に収められた「狂った生き物」が一番おもしろかった。これは、「獣姦モノ」であるが、人間描写がなかなかすばらしい。ちょっとしんみりするような小説である。しかし、ずっと読み通そうとすると、ちょっと飽きてくる。玉石混淆という感じだろうか。
アラブの文学
アラブ、祈りとしての文学 岡 真理 みすず書房 このアイテムの詳細を見る |
アラブ文学の紹介書だと思って、最初を読むとちょっと面食らう。最初はパレスチナ問題とパレスチナ文学の話が結構続く。アラブ文学の中で、パレスチナ文学って狭すぎない?と思ってしまう。また、パレスチナ問題が深刻なのはわかるけれども、かなり難しい問題であって、イスラエルを非難するだけで解決するとは思えない。しかし、我慢して読んでいくと、エジプトとかいろいろと他の国も出てくる。著者はフェミニズムを専門にしているようなので、それにちょっと偏っているような気もする。いろいろと興味深い事実もあるが、包括的で分析的なアラブ文学への入門にはあまりなっていないように思う。
PostgreSQL8.4がでた
8.4正式版でました・・・
このリリースには、管理作業、問い合わせ処理、PostgreSQLデータベースのプログラミングを以前に比べ、より容易にするための改良が大量に含まれています。
だそうで、やはり性能についてはあまり変わりないようですね。
ショスタコーヴィチ本の決定版
ショスタコーヴィチ (作曲家・人と作品)
著者:千葉 潤 |
ショスタコーヴィチの生涯について実に詳細に書かれた本。これだけの情報を日本語で読めるというのは大変にありがたい。彼の作品では自然と交響曲が取り上げられることが多いと思うが、この本には彼の作品全般についてロシア語の「一次」(これは大事)文献に基づく様々なエピソードが詰まっている。
ヴォルコフの「証言」の真贋論争にも言及があり、客観的にコンパクトに事実関係が押さえられていて参考になる。
作品については、割と思い切って良い・悪いを評価しているように思える。
庄司 紗矢香のリゲティ
N響アワー:庄司 紗矢香 20世紀の名曲を弾く!
N響アワーでリゲティをやるというので、珍しいから見てみた。ヴァイオリン協奏曲(1990-1992)で、ソロは庄司紗矢香である。
リゲティも丸くなったものだ・・・(つうか協奏曲って時点で古いよね)
1楽章は、ライヒ等のアメリカ音楽の影響を強く感じた。音は多いが若い頃のような暴力的なパワーはなく、耳に心地よい音楽だ。2楽章・4楽章はオカリナやリコーダーが登場する。管のメンバーががんばってやっていた。3楽章はまるでベルクみたいだ・・・古・・・。4楽章も叙情的できれいな曲だ。5楽章は少し大変そうだった。カデンツァはびっくりするほど古いけど、演奏はよかった。
西村さんは、「現代音楽とは食べたことがない料理を初めて食べるような、新鮮な体験である」みたいなことを言っていたが、おもいっきり食べ慣れた料理を並べられている感じだ。悪い曲じゃないが、斬新さを期待すればがっかりするだろう。
演奏はソロ・伴奏ともに大変良いと思った。伴奏は小編成のオーケストラである。
クラリネットに顔の分からない人がいた(そんなに特別うまいとは思わなかった)。首席の後任問題があるだけに、誰か気になった。
中国の不思議小説:残雪
暗夜 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 全24巻(第1集)) 残雪 河出書房新社 このアイテムの詳細を見る |
週間ブックレビューで取り上げられたが、読んだ人の中にはとまどっている人もいた。読んでみたが、これはかなり不思議な小説のような気がする。解説では、近い作家として、カフカ・安部公房、等があげられていた。確かに、不条理というか非論理的なところがあるが、ちょっと違うと思われる。自分の印象では、詩的でファンタジーに近いと感じられた。とても魅力的である。こんな小説は他にあまりないのではないだろうか。いくつかの短編が収められていて、甲乙付けがたいが、暗夜が良かったかな。原語(中国語)で読めないのがもったいない。中国おそるべし・・・
イベール「5つの小品」より
またもや前回演奏会からの抜粋のup。この曲はクラリネットの見せ場はあまりない。他の2人(Ob・Fg)に迷惑がかからないで外に出せるところというと、ここくらいしかない。3楽章の冒頭、一瞬である。実はここは練習では常に急いでいて(2+1が詰まった感じになり、次の6つが転ぶ)、本番だけ少しまともにできた。
前にも書いたが、トリオ・ダンシュ(Ob・Cl・Fgのトリオ)は結構曲が難しい。古い曲があまりない。レパートリーはほとんど20世紀フランスの作曲家で、フランセ・ミヨー・ボザ・トマジ・シュミット・・・良い曲はいろいろあるが、どれを選んでも茨の道だ(ミヨーのパストラールが簡単そうなので試しにやってひどい目にあったことがある)。その中で、このイベールの曲は比較的とっつきやすい。
5つの曲は、急・緩・急・緩・急で、緩の2曲が非常に美しい。急の3曲は軽快でいかにもフランスといった洒落た曲だ。
トリオ・ダンシュは、メジャーな編成である木管五重奏に比べると、出番が多くてきつい。1回通すとぐったりしてしまう。しかし、メンバーに恵まれればスリリングでおもしろい(Hrがないっていうのはバランスの問題がなくなるからいいね)。今回のアンサンブルもとても楽しかった。