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モーツァルト「クラリネット協奏曲」

演奏:Robert Marcellus, Szell/Cleveland Orchestra
出版:CBS SONY
評価:☆☆☆
感想:1967年録音。数少ない貴重なMarcellusのソロ演奏です。丸い音が魅力です。しかし、録音が悪いです。音の変化があまりない感じに聞こえます。良い録音が残っていれば良かったのに・・・

リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」

演奏:Dorati/London Symphony
出版:Mercury
評価:☆☆☆☆
感想:カラヤン/ベルリンはイマイチだったので、演奏会対策で購入。そうしたら、当たりだった。おそらくペイエだと思います。

イサン・ユン「クラリネット協奏曲」

演奏:Eduard Brunner, Thomas/Bayerisher Rundfunk Symphony Orchestra
出版:CAMERATA
評価:☆☆☆☆☆
感想:私はモーツァルトの次に偉大な協奏曲だと思っています(言い過ぎ)。もっと演奏されると良いのですが、いかんせん難しいので・・・スコアを持っていますが、とても吹けません。ハイトーンが多いので、練習すると調子が悪くなります。3楽章前半の重音奏法の部分は感動的ですが、スコアを見ただけではやり方がわからなかった。同じCDに入っているRiulという曲はまだ吹けそうですね。でも今じゃやる気はしないかも・・・大変で。

マーラー「交響曲第4番」

演奏:Abbado/Wiener Phiharmoniker
出版:Grammophon
評価:☆☆☆☆
感想:Niftyマーラーオフ対策で購入。それまでブーレーズ/クリーブランドを聞いていたが、やはりマーラーはウィーンフィルだろう(?)ということで、聞いてみました。クラリネットはかなり出来が良い!おそらくプリンツと思われます(1977)。C管吹いても、ベルアップしてもほとんど音色が乱れないというのがとてもすごいと思う。

モーツァルト「クラリネット協奏曲」

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演奏:Alfred Prinz, Boem/Wiener Phiharmoniker
出版:Grammophon
評価:☆☆☆☆☆
感想:プリンツらしい、穏やかで誇張しすぎることのなくやさしいモーツァルト。名演です。私はこの曲については、ウラッハよりもこの演奏のほうが好きです。

モーツァルト「クラリネット協奏曲」

演奏:Leopold Wlach, Karajan/Wiener Phiharmoniker
出版:EMI
評価:☆☆☆☆
感想:この演奏はあまり知られていないと思います。今はCDで手に入るようになりました。私が中学生のとき、初めてウラッハを聞いてショックを受けたのがこの演奏でした。比較的録音状態が良く、ウラッハの響きが良く入っています。演奏は本当に音色重視という感じで、音楽的にはあまり締まらないところもある気がしますが、音は素晴らしいです。ウラッハだとロジンスキとの演奏が有名ですが私個人的にはこのカラヤン版のほうが好きです。

ブラームス「クラリネット五重奏曲」

演奏:Reginald Kell, Busch Quartet
出版:Testament
評価:☆☆☆☆☆
感想:自在にテンポが動き、激しく感情表現する名演です。古い録音なので、クラリネットの音は固めですが、素晴らしい演奏だと思います。テンポが動いてもアンサンブルが崩れない弦が良いです。

エーラー式・ベーム式について

一般的にエーラー式はベーム式に比較して音が良いと言われることが多いです。また、ウィーンフィルのクラリネットは伝統的に音が美しいと言われますし、確かにそうだと思います。しかし、最近はあまり関係なくなっているように思います。その理由は、国際化です。双方のシステムは変わっていませんが、音は明らかに双方歩み寄ってきています。例えば、昔のドレクリュースとかランスロのような、ばりばりのフレンチサウンドというのは死滅してしまいました。イギリスももうブライマーのような人はいません。今、エーラー式とベーム式をブラインドテストして完全に聞き分けるのはかなり難しくなってきていると思います。
また、最近はライスター以来エーラー式で才能のある人があまり出ていないような気がします。これは、単純に人口の違いかもしれません。最近は、圧倒的に、ベーム式が多いでしょうから(これは私が知らないだけかも)。
ウィーンフィルのクラリネットは、シュミードルから変化があらわれてきました。シュミードル自体はとてもすぐれた奏者と思いますが、いわゆるそれまでのウィーンフィルの伝統とはちょっと違っているように思います(また個人的にはソロで良い演奏を残していないように思えるのが不満です。)。他にウィーンフィルの伝統を受け継ぐ人が出てくれれば良かったのですが、どうもそうでないようで。今のウィーンフィルのクラリネットはそれほどめだった特徴もないように思います。
では最近私が美しい音だと思っているのは
人であげると、シフリンとヘプリッヒをあげます。でも、シフリンは最近の録音を知らないので、今は不明(と思ったら、 CDがグラモフォンから出た:1999年5月。健在だった。)。一般論でいうと、今一番期待できるのは、古楽器かもしれません。クラリネットの響きの美しさをちゃんと出そうとしていると思います。ヘプリッヒはすばらしいと思います(18Cオケのソロにその片鱗が見られます)。でも、古楽器でも、アントニー・ペイのように、今ひとつ、古楽器の美しさを十分伝えないように思える人もいるので、結局人依存かもしれません・・・システムや方式じゃないと・・・モーツァルトのディベルティメントを、ウラッハ版・プリンツ版・ヘプリッヒ版と比べてみると、ウィーンクラリネットの変化と古楽器クラリネットのメンバーのがんばりを感じることができます(録音技術の差もあるかもしれません)。

リガチャー談義

クラリネットオタクの好きな話の一つとしてリガチャーがあります。うまい人見てると、何使ってもうまいんで、もう関係ないなあと思ってしまいますが、やはりこの手の話ははまります。
非金属素材について
私は基本的に、非金属系のリガチャー(ロブナー・ジリオッティなど)が苦手です。糸巻きについては経験がないので、不明です。非金属素材に共通する特徴としては、吹いたときに高次の倍音が抑制されるような印象を受けます。それが、独特の柔らかさに繋がるときもあります。しかし、やっぱり倍音を抑制して柔らかさを出すというのは邪道ではないかと思ってしまうのです。もったいないと。私は楽器を鳴らすのが、上手じゃないほうなんで、基本的に非金属系のリガチャーを使うと音が沈んでしまいます。また、マウスピースはB40を使っているので、反応の悪いリガチャーを使うとボソボソという感じになります。かなり、組み合わせに依存すると思います。オーディオの感覚に近いです。ものすごく楽器を鳴らせる人は非金属系でもいいと思います。例えば、ジリオッティのリガチャーはジリオッティのような、とんでもなく楽器を鳴らせる人が吹くとちょうど良く鳴りを抑制してコントロールされた音になったのかもしれないなあ、と推測しています(本人使っているかどうかは知りません。あしからす)。ロブナーも数年前に試奏したときは、あまり印象が良くなかったです。海外のプロでロブナーらしきものを使っている人がいっぱいいますが(ナイディッヒetc)何で、あんなので吹けるのかなと思ってしまいます。弘法筆を選ばすなのか、特注なのか、不思議です。
ところが・・・何と、私はロブナーEDIIを使い始めてしまいました。詳細は以下で・・・
ウィンスローについて
私がちょっと前まで使っていたのは、ウィンスローという銘柄のものです。これは、とにかく見た目が目立つのが長所です。第一印象が強く、私というとあの変なリガチャーを使っている人ということになっていました。音は結構抜けます。マウスピースとの接点が少ないことが良いのだと思います。点で支えます。問題点は、リードがしっかりとまらんことです。ずれやすい。正確な位置が決まりにくい。オケの持ち替えがつらい。これはちょっと致命的な気がします。だから使っている人を見たことがないのだと思います。でも、あの見た目のゴツサは魅力です。良く覚えてもらえます。(音よりルックスとは言いませんが・・・)。私は一目見て試奏もせずに銀座のヤマハで買いました。今は売っていないようです。SAX用は売っているようです。 Jazzyな人が使うものかもしれません。数年後で反省して、試奏して比較してみました(ロブナー・ボナード・オペラ・ハリソンなどを比較)。ほぼ同等によさそうだったのが、ボナードのものしかなかったんですが、あまり変化なかったんで買うのはやめました。
ロブナーEDIIについて
長年愛用していたウィンスローから、ロブナーEDII(エディーダニエルスモデル)に乗り換えることにしました(2001.4.14)。ウィンスローは音は気に入っていたのですが、とにかくオケでは持ち替えがつらく、持ち替えが楽で、音もそこそこのリガチャーを探していました。クラ吹きMLで、ロブナーは抜けないという発言をしたら、エディーダニエルスモデルはそんなことはない、という指摘を受けて、一度試してみたいと思っていました。最近借用できる機会がありました。そしたら、非常に良い!さすがにハイトーンは、今ひとつ鳴り難さはありましたが、それ以外は問題なく、特にロブナーの最大の問題である低音の抜けが非常に改善されています。とても息が入る吹きやすいリガチャーでした。これに比べるとウィンスローはちょっとキンキンする感じです。同時に、BG・オプティマム・石森オリジナルなどを試しました。 BGはEDIIにやや近いが、でも、抜けない。オプティマムはEDIIの次に良かったが、ウィンスローのほうが、音は良いように思います(慣れかも)。石森オリジナルは、音は良く出ますが固いという印象がありました。「エディーダニエルスモデル」という名前はかなり恥ずかしいものがありますけどね・・・
ボナードはどれが良いのか?
ちなみにボナードについては、金&前止めの印象が一番良かったです。なぜか、金>銀、前>後、という評価でした(金が良い理由がわからん。見た目にごまかされているとしか思えない。でも良い気がするのです。)。この辺は人によって、いろいろあるみたいですね。ユーザで一番見るのは、銀&後止めですね。

日本におけるフレンチスタイルの導入について

昔の日本のフレンチスタイルの輸入の仕方は不自然なところがあったと思います。ランスロの弟子が比較的多かったせいか、フランス式=ランスロっぽいスタイル、というイメージが昔はありました。なんか音がイマイチだよなあ、とか思っても、えらい先生が言うんだからなあ、とか、私以外でもそう思っていた人が多かったのではないでしょうか?それはベーム式よりもエーラー式のほうが音が良いのだという、偏見を生んだ一つの原因だと思っています。(まあ、一部あってるような気もしますが、でもベーム式にはベーム式の美しさがあって、システムの比較はあまり意味がないと思っています。)
ランスロは偉大なプレーヤーですが、フランスを代表する人か?というと、結構特殊なんではないかと思います。高音域に独特の癖があり、ビブラートも何か変です(昔、ちりめんビブラートと呼んでいた)。ところがランスロより一世代前のカユザックの録音を聞いてみると、音が多少違います。音は若干太いです。フランスの音は細くて繊細であるというのは、必ずしもあてはまらない。また、ランスロより一世代前のペリエの録音が残されてます(ふるーい)が、カユザックよりはランスロに近いですが、高音域に癖はなく、ビブラートもほとんど使いません。(もちろんドプリュも全然違います。)ランスロは少し過大評価されていた(過去形)と、私は思います。その理由は、LP録音が出始める時期とぴったりあって登場し、ランパルのようなスターと一緒になって仕事したんで、目立ってしまったのではないでしょうか?フランスにはカユザックような人もいたのだということは、忘れてはいけないと思います(まあ、カユザックは20世紀フランスの最大のプレーヤーの一人だから当然と言えば当然だけど)。
今、ランスロのような音で吹きたいって人はほとんどいないと思います。もう、世界のクラリネットのスタイルは変わってしまいました。日本の今のプレーヤーはすっかりインターナショナルになって昔のようなことは本当になくなりました。(でも、ランスロもうまいけど・・・この辺はプレーヤー紹介にて。)

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