ホーム » 「cd」タグがついた投稿 (ページ 4)

タグアーカイブ: cd

ショスタコーヴィチ/24 Preludes & Fugues

 ショスタコーヴィチ/24 Preludes & Fugues: Nikolayeva (1962) ショスタコーヴィチ/24 Preludes & Fugues: Nikolayeva (1962)
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

この曲は、ショスタコーヴィチがバッハを意識して作曲した作品である。全ての調で前奏曲とフーガが作られている。とても多彩な、時には古典的な、時には前衛的な、傑作である。彼は調性で創造的な作品を書けた最後の人ではなかろうか。演奏はかなり鋭い怪演である。第15番のフーガの尖った感じはなかなかすごい。

ショスタコーヴィチによる弦楽四重奏

Shostakovich: Complete String Quartets No.1-15, Elegy For String Quartet / Borodin String Quartet
販売元:タワーレコード @TOWER.JP
タワーレコード @TOWER.JPで詳細を確認する

ショスタコーヴィチの弦楽四重奏は初めてちゃんと聴いた。全15曲ある。第1番が、交響曲第5番の後というから、結構遅くに書き始められたことになる。彼の交響曲は正直なところ玉石混淆という気がするが、こちらは粒ぞろいでおもしろい。曲は基本的には調性により、それほど難解ではない。かといって大衆に媚びる音楽では全然無い。彼の本音が出ている感じがする。演奏もハイレベルですばらしい。

リヒターのバッハ

横浜で1時間分の駐車券をゲットするために、3000円で

バッハ:管弦楽組曲 Music バッハ:管弦楽組曲

アーティスト:ニコレ(オーレル)
販売元:ポリドール
発売日:1997/04/09
Amazon.co.jpで詳細を確認する

を買った。まず、ネットで買えば2400円で同じものが買えたので、600円=1時間の駐車代、損した・・・。うーん。意味ない。しかも、輸入盤にすれば同じ値段・同じ演奏でブランデンブルク協奏曲までついてきた。うーん。
演奏だけど、古い・・・
自分がバッハを聴きだした頃は既に古楽器が主流で、この曲については、ムジカ・アンティカ・ケルンの演奏を聴いていた。リヒターは初めて聴いたのだが、今や骨董品のような価値しかないような気がする。編成が厚すぎるし、テンポが遅すぎる。装飾の付け方もおかしいところがある。
この前ミュンヒンガーのフーガの技法を買って失敗したが、同じ失敗を繰り返してしまった。かつての名演と言えども、歴史の変化にはついていけないのだろう。

アーノルドの木管アンサンブル集

 Arnold: Chamber Music for Winds Arnold: Chamber Music for Winds
販売元: iTunes Store(Japan)
iTunes Store(Japan)で詳細を確認する

Naxosからアーノルドの木管アンサンブル集が出ていたので入手した。木管五重奏のようにメジャーな編成のものもあるが、Fl+Ob+Clのように珍しい編成のものもあるので結構役に立ちそうだ。クラリネットソロのFantasyは楽譜を入手したが、ちょっと練習曲風ではあるが、派手目で使えそうな曲である。演奏は悪くない。

ロシアの前衛:デニゾフ

Edison Denisov: Ode / Clarinet Quintet / Clarinet Concerto Music Edison Denisov: Ode / Clarinet Quintet / Clarinet Concerto

販売元:Col Legno
発売日:2008/05/06
Amazon.co.jpで詳細を確認する

デニゾフはショスタコーヴィチの弟子なのだそうだ。彼のクラリネット作品集がブルンナーの演奏で出ていたので入手した。五重奏・協奏曲・三重奏(ピアノ・打楽器)の三曲である。結構バリバリな前衛という感じだ。ソ連崩壊直前に書かれた2曲(1987・1989)はともかく、1968年に書かれた曲については、共産党による批判はなかったのだろうか・・・。自分は、現代ソ連・ロシアの作曲家(グバイドゥーリナ・シュニトケ・ペルト・・・)はあまり好みではないが、デニゾフは割と好みだ。可能なら楽譜を入手してみたい。三重奏が一番おもしろいと思った。ブルンナーはうまい。

木五によるピアソラ

(Wind Quintet)estaciones Portena、Tango Ballet、Etc Ma'alot Quintet (Wind Quintet)estaciones Portena、Tango Ballet、Etc Ma’alot Quintet
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

何となくピアソラがやりたくなって衝動的に買ってしまった。しかし、残念ながら、このメンバーによる編曲であり、一般に出版はされていないようだ。ちょっと調べた限りでは、ピアソラの木管五重奏編曲は楽譜が出ていないようだ。
さて、この演奏だが、編曲も悪くないし、演奏も優れていると思う。クラリネットは活躍する(自分で編曲しているからかもしれない)。ただ、ピアソラというともっと定番の曲があったような気もする。自分はすべて初めて聴いた曲だった(自分がピアソラ知らないだけだと思うけど)。

ストラヴィンスキーの交響曲 by ラトル・ベルリン

 ストラヴィンスキー/Symphonies: Rattle / Bpo ストラヴィンスキー/Symphonies: Rattle / Bpo
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

自分は、カラヤン時代のベルリンフィルが好きなので、ラトルのベルリンは特別好きではないが、それでも、その現代的で能力の高い感じはとても魅力的だ。そんなラトルのCDを私があまり買わない理由は録音にある。最近のラトルの録音は、そのほとんどがライブ録音を基にしている。その理由は、ラトルの音楽的な信念によるものなのか、EMIの経費節減なのかはわからない。
自分はライブ録音はあまり好きではない。マイクを付けまくってこてこてに作った感じの録音のほうが好きだ。ライブでは理想的な録音条件というのは得られないと思うからだ。
このストラヴィンスキーも、録音はあまり良いとは言えない。それは残念だ。しかし、演奏のほうは悪くない。細かい所がいちいちうまい。ベルリンフィルのような優秀なオーケストラでこれらの曲を聴くことができるのは幸せだ。この中で一番有名なのは「詩篇」だろう。圧倒的な迫力はないが、ビブラートを抑えた合唱を使った丁寧な演奏だ。一番迫力があったのは、「3楽章の交響曲」だった。

メイエの名演:ショーソン「アンダンテとアレグロ」

 /Paul Meyer French Clarinet Art Le Sage(P) /Paul Meyer French Clarinet Art Le Sage(P)
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

ポール・メイエなんて、ルックス重視の日本では人気があるが、実力はたいしたことない・・・とか言う人もいるかもしれないが、自分は優れた奏者だと思っている。初来日を聴きに行ったときは、かなりがっかりだった。何でこんなにパワーに頼るのだろうと思った。彼は結構大胆な思い切った演奏をする。何というか、汚すことを恐れない。これは日本人的なきれいにまとめようとする文化には馴染まない。このようにアクの強さを感じさせることもあるが、彼の良いところはきっちり曲によって吹き分けられるところだと思う。先日の来日時の武満もすばらしかったし、衛星で見たベルクやプーランクもよかった。モーツァルトの録音も意外に悪くない。そんなメイエの名演を選ぶのは難しいが、フランス曲集のショーソンを挙げる。この曲はあまり演奏される機会は多くないが、かっこよい曲だ。それを素晴らしく華麗に演奏している。やはり彼にはフランス物がよく似合う。

ケルの名演:ブラームス「クラリネット五重奏曲」

 ブラームス/Clarinet Quintet  Horn Trio: Kell A.brain R.serkin A.busch ブラームス/Clarinet Quintet Horn Trio: Kell A.brain R.serkin A.busch
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

レジナルド・ケルは、イギリス流クラリネットの父と言っても良い存在だろう(その前となると録音が激減するので知らないだけとも言えるが)。イギリス流というとブライマー風の甘い感じを連想するかもしれないが、ケルはビブラートは使うものの、割と質実剛健な感じだ。ペイエの若い頃にちょっと近い(ペイエは年をとって良くも悪くも甘くなった)。ケルは比較的良い条件の録音が多く残されている。その中で代表盤として、このブッシュ弦楽四重奏団とのブラームスを挙げる。
この演奏は1937年の録音だ。録音状態は時代を考えればまあまあか。演奏の価値を毀損してはいないと思う。演奏を一言で言うならば「熱い」演奏だろう。古い名盤として知られている。自在にテンポが揺れ動き、アンサンブルが崩壊しそうになるぎりぎりの線で保つという際どい演奏だ。バックのブッシュ四重奏団はすばらしい。ロマン的な古い演奏とも言えるかもしれない。フルトヴェングラーとか好きな人は好むかもしれない。ちなみに、デッカのケル全集に含まれるこの曲は、この演奏ではないので注意が必要だ。このブッシュとの演奏のほうが優れていると思う。幸運なことにHMVではまだ手に入るようだ。

録音の重要性

CDレビューをいくつか出しているけれども、自分のお気に入りCD選択基準として「録音」は結構大きなウェイトを占める。例えば、以前挙げたアバドのCDもその傾向がある。自分は、録音は普通に世の中に考えられているよりも、ずっと重要なものであると考える。録音というか、マスタリング一つで演奏の印象はがらっと変わってしまう。LP時代に名演と思っていたものがCD化されてがっかりしたり、またその逆にCD化されて魅力を発見するものもある。同じレコーディングが違う版(マスタリング)でCD化されるときに、それがかなり違う音であることがある。日本版とヨーロッパ版で音が違うことは良くあるし、廉価版で音が劣化するときもある(逆に廉価版で良くなることもある)。しかし、例えば、日本版とヨーロッパ版では一般に日本版のほうがよい・・・というような一般的な規則があれば良いのだが、それがどうもないらしい。ある演奏は日本版、ある演奏はヨーロッパ版等と規則性がなく、買うほうは頭が痛い。劣った版で聴いてしまうと、それは良い演奏ではないと切り捨ててしまうことがあるのでもったいない。また、新しい録音だからといって優れているとは限らない。古い録音でも優れた録音はある。これは結構不思議なことだ。技術の進化とは無関係ではないが、意外と相関は低い。例えば、CDの出始めは悪い録音が結構あったと言われる。技術を使いこなせていないからだろう。ハイテク=好録音ではない。
というように録音を重視する自分だから、必然的に古いプレーヤーを低評価してしまうことがある。代表的なのは指揮者で、例えば、トスカニーニはほとんどちゃんとした状態の録音を残していないと思うので、大変残念だ。フルトヴェングラーも録音状態が良いスタジオ録音だと、妙に迫力がなかったりして残念に思うときがある。クラリネットも古い録音(1950年代以前)で良いものを見つけるのは難しい。歴史的な録音はある。古い演奏で自分が評価するものとしては、例えば、レジナルド・ケルの録音がある。しかし、今の録音技術でケルをとったら、もう少し柔らかい音になったのではないかと推測する。残念である。

category

archive