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アバドの強烈な名演

年末バーゲンでCDをいくつか買いましたが、その中で以下の2つが大変印象に残りました。両方とも指揮はアバドです。古い演奏です(20年以上前)。

バルトーク:ピアノ協奏曲第1番、第2番

アバド(クラウディオ) ポリーニ(マウリツィオ)

ユニバーサル ミュージック クラシック


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ポリーニとのバルトークの協奏曲です。超名演と思います。切れ味鋭い演奏です。特に2番の第3楽章は、強烈な掛け合いとシンメトリーを利用した音列の変形等、バルトークのテクニックが満載で、ジェットコースターに乗っているかのような気分を味わうことができます。

プロコフィエフ : カンタータ

オブラスツォワ(エレーナ),ロンドン交響合唱団

ポリドール


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アレクサンドル・ネフスキー(ロンドン響)・スキタイ組曲・キージェ中尉(シカゴ響)の組み合わせです。どの演奏も大変に優れたものと思いますが、あえて選ぶならば、アレクサンドル・ネフスキーです。この曲はあまり好きというわけではないのですが、ロンドン響からもの凄く深い響きを引き出しています。ロシア(近代)音楽のおもしろさを実感することができます。

両方のCDともに1300円程度で購入できます(外盤ならば)。内容から考えるとお得と思います。

昔のアバドはすごかった・・・けど・・・ベルリンでは何であんなになっちゃったんですかね〜・・・

新旧ヴァレーズ聞き比べ

Boulez Conducts Varèse


Deutsche Grammophon


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Varese: Arcana; Ameriques; Ionization; Offrandes; Density 21.5; Octandre; Integrales


Sony


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先日、CDがないと思ったら見つかったヴァレーズのCDですが、入手しました。同時に新しいブーレーズによる録音も手に入れてみました。新録音は大きめの編成の曲を集めています。旧録音は2つのアナログレコード(ニューヨークフィルとアンサンブル・アンテルコンタンポラン)からの抜粋になっています。

新盤の出来がすばらしいです。アメリカが非常にバランス良く鳴っています。録音もよいです。旧盤ではストラヴィンスキーを弾いているような感じがあって、激しいのですが、新盤ではちょっと落ち着いて、響きの重なりに耳を傾けている感じです。現代音楽を消化したメンバーが弾いているという感覚があります。

旧盤も、アンサンブル・アンテルコンタンポランのアンテグラルとオクタンドルは今も色あせない名演でした。管の鋭い警告音と、強烈なクレッシェンド、打楽器との完璧なアンサンブル。ヴァレーズの良さを十分に味わうことができます。オクタンドルの叙情的な感じ、アンテグラルの何か原始的な感じ、ともに良く出ていると思います。新しい録音も期待されるところです。

ヴァレーズは、それまでの音楽をひっくり返した人だと思います。素朴で原始的な感覚と音の響きや動きそのものを楽しむ現代的な感覚が混在しています。現代音楽の父の一人と言えるでしょう。

トゥーランガリーラ交響曲の決定版

メシアン、オリヴィエ(1908-1992)/Turangalila Symphonie: Previn / Lso +quatuor Pour La Fin Du Temps: Loriod Etc

1977年のプレヴィン・ロンドン響・ベロフによるトゥーランガリーラ交響曲の録音です。これ以降何枚かこの曲の録音は出ていますが、これを超えているものはあるでしょうか。ベロフの存在が大きい。メシアンを弾かせてこのころのベロフに対抗できる人は今ではエマールくらいなのでしょうが、メシアンの音楽への順応度というか、センスが違うという気がします。

オーケストラの響きが派手です。きらきらしてます。強力な金管群が支えています。打楽器やオンド・マルトノもど派手です。

録音もこの当時のものとしては、すばらしいものだと思います。

こういう名演を今は1300円でCD2枚で世の終わりのための四重奏のおまけまでついて手に入れることができます。良い世の中になったものです。

新しい室内協奏曲を聴ける幸せ

ベルク:室内協奏曲、モーツァルト:「グラン・パルティータ」

内田光子

UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)


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アルバン・ベルクの「室内協奏曲」は、もう、録音される機会がないのではないかと思っていました。あまりにも演奏するのが難しすぎる(ブーレーズはこの解説の中で、「ほとんど狂気とも言えるような意図の上に成立している」と言っている)ことと、複雑で普通の人には極めてとっつきにくく、商業ベースにも乗りそうにないからです。ベルクの音楽でも、例えば、「ヴァイオリン協奏曲」や「抒情組曲」は、おそらく今後もヴァイオリンと弦楽四重奏の重要なレパートリーとして演奏されていくと思いますが、室内協奏曲はヴァイオリン・ピアノのソロに13の管楽器という特殊な編成でもあり、なかなか取り組みにくいものです。

しかし、内田光子とブーレーズとテツラフがやってくれました。この曲を新しい解釈で聴くことできるのは本当に幸せです。1楽章がピアノ協奏曲、2楽章がヴァイオリン協奏曲、3楽章が二重協奏曲という構成で、3楽章冒頭にあるピアノとヴァイオリンのカデンツァは本当に劇的です。内田光子は解説の中で、ベルクに一番近い作曲家はシューマンであり、この2人が本当のロマン派だと言っています。実際、この演奏は冒頭からピアノは甘く始まります。ブーレーズ・バレンボイム・ズッカーマンの録音に比べると、角が取れたというか、よりロマン的な演奏になっています。

日本盤では、3人による座談会と内田光子へのインタビューが掲載されています。両方とも大変興味深いもので、一読の価値があります。ベルクの「3」という数への異常なこだわりとか、内田光子のこの曲に対する愛情等が書いてあります。

一緒に入っている曲は、グランパルティータです。13管という点で共通しているのですね。これには自分は今まで気づいていませんでした。商業ベースに乗せるためには、これくらい有名な曲を入れる必要があったのでしょう。アンサンブル・アンテルコンタンポランがモーツァルトをやるっていうのは、ちょっと信じられない気がしますが、演奏は普通に、フランスの優秀な管のアンサンブルになっています。若干、この曲の魅力である色彩感に欠く気がするのは、おそらくバセットがベーム式だからではないかと思います。クラリネットはベーム式でも何とかなりますが、バセットだけはエーラーじゃないとあの独特の雰囲気はでないのかもしれません。

CD化してほしい録音

アナログ時代のレコードの名演というのは、かなりCD化されました。そして廉価で手に入るようになっています。しかし、CD化されていないものも微妙にあります。自分がアナログレコードでは持っているのだが、CD化されていなくて、特にこれは是非是非CD化してほしいものを2つほどあげてみます。

・ラサール弦楽四重奏団のツェムリンスキー全集
 高校生ぐらいのころ4番を生で聞きました。それまでモーツァルト等を適当に流していたのですが、この曲になると突然集中力を発揮して、すばらしいアンサンブルを聞かせてきました(レコードの宣伝だったと思う)。全集は全部で4曲ですが、2番と4番がおもしろいです。2番はロマン派のなごりを残したこゆい曲で、4番はドライでモダンな曲です。レコ芸なんかでもほめられていて当時の名盤でした。

・ブーレーズ・アンサンブルアンテルコンタンポランのヴァレーズ作品集
 ヴァレーズはシャイー・コンセルトヘボウの全集が出たからこれでいいか・・・と思っていたのですが、何か物足りない。切れがない。ブーレーズ版は冒頭のアンテグラルのクラリネットの音から気合が入りまくっています。クレッシシェンドの切れが鋭いです。名演です。ですが、これもおそらくなぜかCD化されていません。

と、ここまで書いて裏をとってみようと思ってHMVを調べてみたら後者はありました。すいません。これです。

ヴァレーズ/Ionisation Etc: Boulez / Ensembleintercontemporain Nyp

ブーレーズはヴァレーズの大規模な曲についてはシカゴ響と再録音しています。

ヴァレーズ/Ionisation Arcana Ameriques: Boulez / Cso

室内楽作品についても再録音してほしいものです。

マイヤーのニールセン協奏曲

新しいニールセンの協奏曲の録音が出ました。これは朗報です。ザビーネ・マイヤーとベルリンフィルという組み合わせ。しかも、名曲の木管五重奏曲まで入っています。これは買わないわけにはいきません。早速入手して聞いてみました。

Nielsen: Clarinet & Flute Concertos; Wind Quintet


EMI Classics


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テクニックを要求される難曲ですが、難なくこなしている感じ。ドイツ管でのこの曲の録音はほとんどないと思うので貴重です。Fl協奏曲はパユですが、クラリネットとのかけあいとかもあってなかなか楽しめます。木管五重奏は、4楽章が結構難しくて(長くて)アマチュアでは多少やりにくい曲ですが、さすがにすごいメンバーがそろっていて美しい演奏になっています。4楽章のバリエーションのテーマの提示は感動的です。

協奏曲はあまり出てなくて入手も難しいと思っていましたが、この機会に、自分が持っていたのをよく調べたら、Hilton・Cuper・Cahuzac・Druckerと意外と4つもありました。

Copland / Lutoslawski / Nielsen/Cl.concertos: Hilton / Bamert / Royal Scottish National.o

Copland, Françaix, Nielsen: Concertos for Clarinet

Nielsen: The Historic Recordings

Nielsen: Concerto for clarinet Op57; Concerto for flute fs119

この中ではCuper版が一番いいかなーと思っていましたが、録音に多少難がありました。その点マイヤー版は録音も悪くないですし、演奏もすばらしいです。

室内協奏曲のCDが出る!

ベルク/Chamber Concerto: Uchida(P) Tetzlaff(Vn) Boulez / Ensemble Intercontemporain +mozart: Serenade

先日、もう録音する人がいないんじゃないかと言っていたベルクの室内協奏曲の新CDがでます!ブーレーズ+内田光子です。この組み合わせはシェーンベルクの協奏曲が結構良かったので期待できるかもしれません。最近のブーレーズは昔の演奏に比べると切れがないという感じはするんですけどね・・・。予約商品で、2008年08月20日 発売予定になってます。HMVのマルチバイ割引orポイントセールのタイミングで買うかな・・・。

Damienのメシアン四重奏

メシアン、オリヴィエ(1908-1992)/Quatuor Pour La Fin Du Temps: Damiens Le Dizes Strauch Aimard

Damiensがクラリネット、Aimardがピアノという現代音楽最強コンビによる、メシアンの世の終わりのための四重奏です。前から気になっていたのですが、N響アワーでのAimardのメシアンの演奏が良かったこともあって購入してみました。意外に古い録音で1986年です。クラリネットは非常に正確で、クールな感じです。演奏全体もややクールな感じがします。この曲の自分のお気に入りは、Tashi(クラリネットがストルツマン、ピアノがピーター・ゼルキン)の1975年の演奏です。それは結構熱い感じの演奏です。どちらも捨てがたいです。

上のリンクはHMVへのリンクです。Amazonでは見つけられませんでした。そこでHMVのアフィリエイトも申し込んでしまいました・・・。

仮面舞踏会

Khachaturian: Concerto for violin in Dm; Concerto for piano in Df


London


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最近、何かのビール(か発泡酒)のCMで、ハチャトリアンの仮面舞踏会が使われていて、非常に印象的だったので、ひさびさに聞いてみました。ハチャトリアンというのは、実はクラリネットにとって結構重要な作曲家なんですよね。ガイーヌ・Vn協奏曲・この仮面舞踏会いずれも、カデンツァかそれに近いソロが入っています。ジプシーっぽいクラリネットというか、ハチャトリアンはアルメニアだからちょっと違うのかもしれませんが・・・。ハチャトリアンの音楽にクラリネットは欠かせません。このCDには第二交響曲が入っていますが、ここではバスクラの大活躍を聞くことができます。

アルバン・ベルク全集

ベルク/Comp.published Works: V / A

ベルク好きの必須アイテム?全集です。今では売ってないみたいですね・・・(と思ったらAmazonに在庫がなかっただけで、HMVにはありました。上のリンクはHMVへのリンクです。)作品数が少なかった人なのでCD10枚におさまってしまいます(でもウェーベルンのほうが曲が短いからもっと少ないか・・・)。

最近のお気に入りは室内協奏曲です。これって伴奏が管楽器だけなので小編成ではありますが、吹奏楽伴奏の協奏曲って思ってもいいのかもしれない・・・。第一楽章がピアノ協奏曲、第二楽章がバイオリン協奏曲、第三楽章が二重協奏曲・・・斬新です。でもとにかく難しい。クラリネットはEs、A、Bassの3本ですが(同じ管を重ねないのがベルクらしい)、どれも超絶技巧を要求されます。最近は録音しようという人もいないようですね。

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