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Walter Boeykens
ベルギーのソリスト。柔らかく柔軟で、音も厚みがあって、インターナショナルなクラ吹きという感じで、とても好きでした。しかし、CDは彼の魅力を伝えるものに出会っていません。残念なことです。NHK-FMでのスタジオ演奏を、15年くらい前に録音しましたが、そのシューマンなどはとてもすばらしいものでした。おそらくそのころが全盛時代だったのだと思います。現代奏法もすごかったですね。重音奏法をばりばりやってました。ああいう美しい音で、現代曲もがんがん吹けるというのは、すばらしいですね。1989年録音のブラームスのソナタがありますが、音色にかつての美しさがありません。クラリネット・クワイアの主催なんかもやってるらしいです。
Eric Hoeprich
18世紀オーケストラの主席。おそらく古楽器クラリネットの第一人者。今時のクラリネット吹きでの最も重要な人の一人だと思います。忘れかけていたクラリネットの音の美しさを実感させてくれる。音楽作りは割とモダンな感じです。古楽器だから古臭い(?)なんてイメージではありません。古楽器はあくまでも手段であって、音楽自体は現代的なダイナミクスの大きい(本当に音がでかいというより、表現に幅があるというか・・・)ものだと思います。モーツァルトのCDも出ていますが、18Cオケでのスコットランドやイタリアなどのソロはすごいです。
Louis Cahuzac
フランスの伝説的なクラリネット奏者(1880-1960)。確か、ストラビンスキーの3つの小品は彼に献呈されています。録音が残されています。大変ありがたいことです。 NHK-FMで歴史的なクラリネット奏者の特集をやったときに、ピエルネなどの小品を聞きました。うまいです。音が太め(というかB45あたりで吹いていそうというか・・・)で、フランスクラリネットの印象が変わりました(現代のフランスクラリネット奏者の層の厚さは彼から受け継いでいるのだと思います。)モーツァルトなどクラリネットの名曲の演奏を是非聴いてみたいものです。しかし、おそらくCD化されていません。私が持っている唯一の CDはニールセンの協奏曲ですが、これは1947年、つまりカユザック 67歳の録音です。さすがにこの年でこの曲はつらいです。ぼろぼろの演奏になっています。これを聴いてカユザックの実力を判断してほしくないなと思います。
Alain Damiens
アンサンブルアンテルコンタンポランのソリスト(多分今も)。ブーレーズ来日のときに、ソロ吹いてましたね。現代音楽のスペシャリストの感がありますが、実力者です。非常に張りのある、良い意味でちょっと金管っぽい音を出します。音楽も非常にダイナミックです。ストラビンスキーの兵士の物語などは、そういった特徴が良く出ています。クセナキスの曲が入ったCDなどは、彼の現代物の得意さを十分に堪能できます。
Paul Meyer
☆フランスの中堅ソリスト。柔軟性がありダイナミックな音楽を聴かせる。でも、音も悪くない。おそらく初来日のときに生演奏を聴きました(東京文化会館)。そのときは、全くだめでした。おそらくリードがあってなかったんじゃないかと思いますが、音が荒く、微妙なコントロールが全くできていませんでした。特に、これまで聴いたこともない、やたらでかい音で吹いていて、あまりに調子悪いのでやけになっているのではないかと思ったほどでした。その印象で、CDはずっと買ってなかったんですが、いざ買ってみるとずっと良い印象。あの生はなんだったんだ、と思いました。フランス曲集に入っているショーソンは名演です。ブルッフの三重奏も優等生的ですが、悪くありません。
Michel Arrignon
☆以前は、アンサンブル・アンテルコンタンポランのソリストでした。どちらかというと、現代音楽のスペシャリストとして有名だったと思います。アンサンブル・アンテルコンタンポランをやめるときに、後任にふさわしい人物を見つけられなかった、それほど、偉大なプレーヤーだったという伝説が残っているらしいです(昔、NHK-FMでスタジオでの演奏を流していたときにそんなことを誰か言ってました。)かつては非常に尊敬しておりました。私はこの人の一番の特徴は、そのモダンなセンスだと思ってます。テクニック的には、後任のアラン・ダミアンの方が上なんじゃないかと思います。しかし、アリニョンのダイナミックさは、今時のクラリネット吹きという感じで新しさを感じました。気まぐれという言葉が一番似合うような気がします。数年前にアンサンブルで来日公演をしたことがありまして、実演を聞きました。プーランクの木管五重奏+ピアノの六重奏でしたが、正直言って、全くダメで、時々気が向いたように美しい音を出すのですが、基本的にほとんどやる気があるようには見えませんでした。最近は新しいCDを聴いていませんので、何とも言えません。最近はあまり活躍していないかなあ、と思います。お勧めの演奏は、ぱっと思いつきませんが、昔のアンサンブル・アンテルコンテンポランの演奏のソロにその片鱗を見せます。シェーンベルクの室内交響曲第一番なんかはいかにもアリニョンという感じがしました(出番は少ないですが)。
Jacques Lancelot
コラムでランスロ批判めいたことを書いてしまったのでフォロー。 1940年代~70年代に活躍したフランスを代表する奏者。ちょっとソリスティックなタイプのせいか少し癖あり。録音はいっぱい残ってます。ブラームスの五重奏なんかもあって、期待できないと思う人も多いかもしれませんが、これがなかなか悪くなかったりします(もちろん、ウラッハが一番と思っている人には勧めませんが・・・)。でも、私がとても強い印象を受けたのは、ロッシーニの四重奏曲です。ランパル・オンニュといった(古き)フランスを代表するプレーヤと組んだ最高の演奏です。とにかくソロ良し、アンサンブル良し、音楽良しと、木管アンサンブルの奥深さを堪能させます。最近でも、これを超える木管アンサンブルの録音はあまり多くないと思います。同じ片手間(?)でやっててもここまでやるのはすごいです。昔の人はうまかったのかなあ・・・・最近(1998年)、彼の演奏のCDが一通り発売されました。ジョリベ・フランセの木管五重奏のCDを聴きましたが、すばらしい演奏でした(特にジョリベ)。相当な練習が積まれていると思われます。個人がうまいだけではこうはならない。こういう手間をかけた質の高い演奏は、時間に追われる現代のプロからはもう聴けないのではないかと、思ってしまいます。(アマチュアのコンテストのような一発勝負の場しか期待できないかと。)
Pascal Moragues
☆パリ管の主席。確か10代にして主席になったんじゃなかったかな?主席なりたてのころ、来日しスタジオでの演奏(サンサーンス・プーランクなど)がFM で流れまして、ショックを受けました。新しいフランスの流れを感じました。音は豊かです。問題点はパリ管がさっぱりいい演奏をしてくれないので、パリ管のCDを買う気がしないのと、ソロのCDが出ないことかな。木管五重奏のCDが出ていて、これは彼の魅力を十分に伝えてくれます。 パリ管来日公演を聞いたことがありますが、健在でした。ただ、ちょっと音が派手目になったかなあという気もしました。
Gerevase de Peyer
イギリスのソリスト。イギリスっぽい若干派手目の音色ですが、音楽が非常にしっかりした実力者だと思います。私は昔聞いたバレンボイムとのブラームスのソナタが名演だと思っています。CD化されていないのが非常に残念です。わりと新しい録音だと、若干、年をとったせいか、甘く(音色も、音楽的にも)なった感じがします。しかし、アルペジョーネ・ソナタなどの入ったCDは晩年の名演です。