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リヒターのバッハ
横浜で1時間分の駐車券をゲットするために、3000円で
バッハ:管弦楽組曲
アーティスト:ニコレ(オーレル) |
を買った。まず、ネットで買えば2400円で同じものが買えたので、600円=1時間の駐車代、損した・・・。うーん。意味ない。しかも、輸入盤にすれば同じ値段・同じ演奏でブランデンブルク協奏曲までついてきた。うーん。
演奏だけど、古い・・・
自分がバッハを聴きだした頃は既に古楽器が主流で、この曲については、ムジカ・アンティカ・ケルンの演奏を聴いていた。リヒターは初めて聴いたのだが、今や骨董品のような価値しかないような気がする。編成が厚すぎるし、テンポが遅すぎる。装飾の付け方もおかしいところがある。
この前ミュンヒンガーのフーガの技法を買って失敗したが、同じ失敗を繰り返してしまった。かつての名演と言えども、歴史の変化にはついていけないのだろう。
アーノルドの木管アンサンブル集
Arnold: Chamber Music for Winds 販売元: iTunes Store(Japan) iTunes Store(Japan)で詳細を確認する |
Naxosからアーノルドの木管アンサンブル集が出ていたので入手した。木管五重奏のようにメジャーな編成のものもあるが、Fl+Ob+Clのように珍しい編成のものもあるので結構役に立ちそうだ。クラリネットソロのFantasyは楽譜を入手したが、ちょっと練習曲風ではあるが、派手目で使えそうな曲である。演奏は悪くない。
ロシアの前衛:デニゾフ
Edison Denisov: Ode / Clarinet Quintet / Clarinet Concerto
販売元:Col Legno |
デニゾフはショスタコーヴィチの弟子なのだそうだ。彼のクラリネット作品集がブルンナーの演奏で出ていたので入手した。五重奏・協奏曲・三重奏(ピアノ・打楽器)の三曲である。結構バリバリな前衛という感じだ。ソ連崩壊直前に書かれた2曲(1987・1989)はともかく、1968年に書かれた曲については、共産党による批判はなかったのだろうか・・・。自分は、現代ソ連・ロシアの作曲家(グバイドゥーリナ・シュニトケ・ペルト・・・)はあまり好みではないが、デニゾフは割と好みだ。可能なら楽譜を入手してみたい。三重奏が一番おもしろいと思った。ブルンナーはうまい。
木五によるピアソラ
(Wind Quintet)estaciones Portena、Tango Ballet、Etc Ma’alot Quintet 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
何となくピアソラがやりたくなって衝動的に買ってしまった。しかし、残念ながら、このメンバーによる編曲であり、一般に出版はされていないようだ。ちょっと調べた限りでは、ピアソラの木管五重奏編曲は楽譜が出ていないようだ。
さて、この演奏だが、編曲も悪くないし、演奏も優れていると思う。クラリネットは活躍する(自分で編曲しているからかもしれない)。ただ、ピアソラというともっと定番の曲があったような気もする。自分はすべて初めて聴いた曲だった(自分がピアソラ知らないだけだと思うけど)。
ストラヴィンスキーの交響曲 by ラトル・ベルリン
ストラヴィンスキー/Symphonies: Rattle / Bpo 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
自分は、カラヤン時代のベルリンフィルが好きなので、ラトルのベルリンは特別好きではないが、それでも、その現代的で能力の高い感じはとても魅力的だ。そんなラトルのCDを私があまり買わない理由は録音にある。最近のラトルの録音は、そのほとんどがライブ録音を基にしている。その理由は、ラトルの音楽的な信念によるものなのか、EMIの経費節減なのかはわからない。
自分はライブ録音はあまり好きではない。マイクを付けまくってこてこてに作った感じの録音のほうが好きだ。ライブでは理想的な録音条件というのは得られないと思うからだ。
このストラヴィンスキーも、録音はあまり良いとは言えない。それは残念だ。しかし、演奏のほうは悪くない。細かい所がいちいちうまい。ベルリンフィルのような優秀なオーケストラでこれらの曲を聴くことができるのは幸せだ。この中で一番有名なのは「詩篇」だろう。圧倒的な迫力はないが、ビブラートを抑えた合唱を使った丁寧な演奏だ。一番迫力があったのは、「3楽章の交響曲」だった。
ケルの名演:ブラームス「クラリネット五重奏曲」
ブラームス/Clarinet Quintet Horn Trio: Kell A.brain R.serkin A.busch 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
レジナルド・ケルは、イギリス流クラリネットの父と言っても良い存在だろう(その前となると録音が激減するので知らないだけとも言えるが)。イギリス流というとブライマー風の甘い感じを連想するかもしれないが、ケルはビブラートは使うものの、割と質実剛健な感じだ。ペイエの若い頃にちょっと近い(ペイエは年をとって良くも悪くも甘くなった)。ケルは比較的良い条件の録音が多く残されている。その中で代表盤として、このブッシュ弦楽四重奏団とのブラームスを挙げる。
この演奏は1937年の録音だ。録音状態は時代を考えればまあまあか。演奏の価値を毀損してはいないと思う。演奏を一言で言うならば「熱い」演奏だろう。古い名盤として知られている。自在にテンポが揺れ動き、アンサンブルが崩壊しそうになるぎりぎりの線で保つという際どい演奏だ。バックのブッシュ四重奏団はすばらしい。ロマン的な古い演奏とも言えるかもしれない。フルトヴェングラーとか好きな人は好むかもしれない。ちなみに、デッカのケル全集に含まれるこの曲は、この演奏ではないので注意が必要だ。このブッシュとの演奏のほうが優れていると思う。幸運なことにHMVではまだ手に入るようだ。
ライスターの名演:ブラームス「クラリネット三重奏曲」
ブラームス:クラリネット三重奏曲
アーティスト:ライスター(カール) |
有名なクラリネット奏者による演奏のうち、自分の非常に印象に残ったものを1つずつあげていこうかと思う。自分の入手した&聴いた狭い範囲なので、取りこぼしは多いにあると思う。ご了承願いたい。
まず第一回目は20世紀を代表する奏者といってもよいであろう、カール・ライスターを取り上げる。ライスターは年齢を重ねるにつれて進化した偉大なプレーヤーだと思うけれども、意外に進化後のソロの名演がないような気がする(あえてあげるとすればレーガーかな・・・それに比べて、オーケストラのソロは進化後のほうが名演が多い気がする)。音の美しさは増していると思うのだが、音楽的内容に若干の不満を覚えるのだ。そんな中で彼を代表する演奏として、あえて若いころ(確か20台)のブラームスの三重奏をあげる。ブラームスというと五重奏のほうがメジャーだけれども、この演奏は名演だと思う。ピアノはかなり良い雰囲気だ。ブラームスでは、ソナタも三重奏もピアノの役割が非常に重要だ。またチェロも良い。ラストはかなり盛り上がる。録音も非常に良い。三重奏に馴染みのない人には是非聴いていただきたい名演だ。
20世紀音楽のバイブル:ラサールQ
新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集(4枚組)
販売元:Brilliant Classics |
20世紀音楽のバイブルとも言える、ラサール弦楽四重奏団の新ウィーン楽派の四重奏曲集が廉価版となって発売された。リンクはamazonだが、自分はHMVで割引で2000円以下で入手した。4枚組でこの値段で買えるとは良い世の中になったものだ。聴いてみたが、今の耳で聞いても全く古さを感じさせない。偉大な演奏だ。バランス・技術・・・完璧なアンサンブルとはこういうものを言うのだろう。特にシェーンベルクが素晴らしいと思う。シェーンベルクのカルテットは、最近、録音や演奏会で見かけることは少ないと思う。しかし、2番は(歌が入るという変則的な曲だが)大変な傑作だと思うし、1番も後期ロマン派的な薫りの高い、とは言ってもマーラー等とは一味違った、濃い独特の世界だ。
このCDだが、廉価版にありがちな音の雑さはなく、優秀なマスタリングだと思う。後継者たちが、凌駕しようという意欲を失わせるような決定版と言えるだろう。現在、販売されていないツェムリンスキーの全集のCD化も望まれるところだ。
フーガの技法 by ミュンヒンガー
バッハ:フーガの技法、他
アーティスト:ミュンヒンガー(カール) |
自分が購入したのは輸入盤で1600円くらいだった(2枚組)。レビューで割とほめられてて高くないし、試しに買ってみた。弦楽合奏によるものだ。
一聴して・・・古っ・・・。録音が古いのではない。解釈が古いのだ。今どきこんなロマンチックなバッハは聴けない。ストコフスキーかよ・・・とか突っ込みたくなった。はずしてしまった・・・ヤフオク出すか。フーガの技法は名曲だと思うので、何か良い演奏がないかと思っているのだが・・・。
カラヤンによる新ウィーン楽派
昨日紹介した、カラヤンによる新ウィーン楽派管弦楽曲集だが、一通り聴くことができた。この録音をカラヤン最高のものという人もいる。私の感想だが、シェーンベルクは総じて名演であったが、ベルクとウェーベルンはあまり評価できない。何か、時代がかっているというか、身振りが大げさなのだ。まるで、フルトヴェングラーのベートーヴェンを聞かされているみたいだ。今となっては古い演奏だ。我々はブーレーズ等によるスリムで整理されたウェーベルンやベルクを知ってしまっている。カラヤンにとっては、「現代」音楽だったんだろう。しかし、我々からすれば、これらは前世紀の古典音楽だ。シェーンベルクが成功しているのは、その演奏スタイルと曲がマッチしているからかもしれない。