ホーム » 「review」タグがついた投稿 (ページ 5)
タグアーカイブ: review
高音質CD初体験:カラヤン・ベルク他
新ウィーン楽派管弦楽曲集
アーティスト:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン(ヘルベルト・フォン) |
高音質CDにはずっと興味があって、いつか買おうと思っていたが、やっと一組入手することができたのでレビューしてみよう。高音質CDとは何かというと、従来のCDと全く互換性を持ちながら、ブルーレイディスク等で得られたノウハウを投入することによって、音質を向上したというもので、CD出版3陣営(ユニバーサル・EMI・ソニー)からそれぞれ規格が出ている。
選んだのは、カラヤンによる新ウィーン楽派管弦楽曲集である。これはLP時代の名盤とされている。高音質CDはなかなか割引で売っていないのだが、これはHMVで23%オフの対象になっていたので買ってみた。SHM-CDという規格で、CD素材に液晶パネル用途のポリカーボネート樹脂を使用しているため透明性が向上し、正確なビットを形成できるのだそうだ。自分はこれのCD版については、ベルクの2曲だけを、ベルク全集の一部として持っているので、それと比較してみることにしよう。
まず、元のCD版についてだが、カラヤン主義者の私を持ってしても、うるさいと思わせる演奏だった。ベルクの演奏としては、必ずしも優れたものではない。力で押しまくっている。録音は情報量は多いもののややノイジーな感じであまり優秀な録音とは思っていなかった。
さて、SHM-CDを聴いてみた。・・・。うーん。やはりうるさいというのは変わらない。ただピアノの分解能がちょっとあがってるかな〜という気がするが、気のせいっぽいような気もする・・・。値段の差ほどのありがたみはないようだ。
ちなみに、一緒に入っていた浄夜を聴いてみたら、これはすごい演奏だった。録音も多少うるさいが優秀だ。高音質CD関係なく名演の一つに数えることができるだろう。
黛敏郎:涅槃交響曲
黛敏郎:涅槃交響曲
アーティスト:岩城宏之,東京混声合唱団 |
涅槃交響曲は黛の代表作ということは知っていたが、聴くのは初めてだ。この曲は鐘の音をオーケストラでシミュレートするという発想で作られているのだそうだ(もっと宗教的かと思ったらそうでもない)。歌(というかお経というか)はちょっとどうかなと思うが、このモダンな音響は嫌いじゃない。演奏は大変優秀だと思う。録音も極めてよい。作曲者の死(1997年)の直前(1995年)に、作曲者の監修によるこのような優れた演奏が残ったのは幸運と言えよう。歴史に残る名作かは多少疑問だが、私にとっては邦人作曲家だったら、武満よりは、黛とか三善晃などのほうがずっとしっくりくるのだ。
フォーレ賛:レクイエム
Faure: Requiem; Messe des Peheurs de Villerville
販売元:Harmonia Mundi |
自分は、フォーレを嫌いじゃない。ドビュッシーやラベルよりも好きかもしれない。ちなみにショーソンも嫌いじゃない。自分はちょっと頭が古いのだろうか。しかし、フランスの作曲家でその次となるとメシアン・クセナキスまで飛んでしまう。レクイエムもペレアスも素晴らしいと思う。ピアノ曲はピンと来ないが。次の水曜日に神奈川県音楽堂で演奏するので、フォーレ好きは来たれ・・・(演奏の質は保証しない)
さて、このCDだが、レクイエムの1893年版だ。原典版と書かれて売られていることもあるようだが、ウィキペディアによると第2稿のようだ。きれいで、胸に染み入るようなしみじみとした演奏だ。録音も大変よい。(自分にとって)残念なのは、クラリネットがないことだ。これは仕方ない。まあ、あっても一曲しかないが。とりあえず、自分はこれで満足だ。また、CDジャケットが非常に洒落ている。
ヴィラ・ロボスを聴く
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 販売元:セブンアンドワイ セブンアンドワイで詳細を確認する |
EMIクラシックスBEST100で、3枚CDを買うと1枚もらえるという企画にのってみて入手した。普段あまり買いそうにないものを選ぼうということで、ヴィラ=ロボスにしてみた。今まで室内楽は聴いたことがあっておもしろいと思っていた。2番はオーケストレーションがすっきりせず、基本ゴチャゴチャしている感じでイマイチだ。それは西洋音楽に慣れた耳だから仕方ないのかもしれない。トッカータはそのエネルギー感が少しおもしろい。6番はFl・Fgの二重奏だがおもしろい。9番は弦楽合奏だが結構かっこよい曲で、まさにブラジル風バッハという感じ。全体に録音はあまりよくない。
マイヤー vs. フックス
ニールセン/Flute Concerto Clarinet Concerto Wind Quintet: Pahud(Fl) S.meyer(Cl) Rattle / Bpo Baborak(Hr 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
ベルリン・フィル因縁の対決?・・・とは言っても、別に直接対決ではない。
ザビーネ・マイヤーは若い頃にベルリン・フィルとトラブルを起こして(というか受け入れられなくて)、入団できなかった・・・という話は有名だ。しかし、今はこんなCDがある。マイヤーがソロを吹き、ベルリン・フィルが伴奏する。加えて、パユらベルリン・フィルの木管トップメンバーと木管五重奏までやっちゃう。ベルリン・フィルはマイヤーを受け入れられるようになったのだろうか?しかし、こうなると、主席であるフックスくんの立場がないではないか・・・。フックスはベルリン・フィルと協奏曲入れてたかな?・・・思いつかない。自分は、マイヤーの実力は認めるところだが、何となく話題作りを狙ったCDにも思える。演奏は普通に良いです。
カラヤン「英雄の生涯」聞き比べ
シュトラウス(リヒャルト) / 『英雄の生涯』、『死と変容』 カラヤン&ベルリン・フィル 輸入盤 販売元:HMV Yahoo!店 HMV Yahoo!店で詳細を確認する |
シュトラウス(リヒャルト) / 『英雄の生涯』 カラヤン&ベルリン・フィル(1974)(HQCD) 販売元:HMV Yahoo!店 HMV Yahoo!店で詳細を確認する |
また、カラヤンのシュトラウスを取り上げてみよう。自分はR.シュトラウスの最高傑作は、英雄の生涯ではないかと思っている(オペラはサロメ以外知らない)。カラヤン・ベルリンフィルは、この曲を自分の知る限り3回録音しているが、代表的な録音は、1974年・1985年のこの2つであろう。この2つのどちらをとるかというのは、議論が分かれるところである。それはなぜか・・・。1974年の演奏が、録音に大きく失敗しているのだ。クレッシェンドすると音が割れまくる。快適な録音で聞きたいならば、1985年かもしれない。しかし、私はそれでも1974年の演奏を最高と考える。アンサンブルの精度が高い。「英雄の敵」の木管アンサンブルは特筆すべきだ。オーボエが神がかっている。また、ラストのホルンはザイフェルト最高の演奏の一つと言えるのではないだろうか。泣かせる演奏だ。
ちなみにクラリネットについては、1985年のほうが良いと思うが、元々それほどクラリネットが活躍する曲ではないから、聞き所は多くない。あと、両方ともEs管クラリネットは最悪に近い。ベルリンのクラリネットの最大の弱点は、Es管だろう。誰が吹いているのか知らないが、がっかりだ。ちなみにブーレーズのダフニスもEs管のせいで思いっきり興ざめだ。
上記の1974年版は、HQCD(高音質CD)だ。私は普通のCDでしか聞いていない。果たして、HQCDになることによって、録音は改善しているであろうか?自分の予想は懐疑的だ。元々の音源の音が割れているのだから、どうしようもないだろう。まあ、それにしてもいずれは入手したいと考えているから、またレビューしよう。
ガチ定番:カラヤンのシュトラウス
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラ」/ティル/ドン・ファン
販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック |
ちょっとネタ切れなので、昔のCDのレビューを・・・。
このリンクは最近発売のSHM-CD(高音質CD)だが、自分は通常のCD版(外盤)しか持っていない。SHM-CDは興味があるところだが、まだ買えていない。入手できたら、レビューしようと思う。
さて、演奏についてだが、このツァラトゥストラは、録音・演奏ともに、この曲の最高と言われる、まさに「ガチな」定番だ。序奏部のサウンドは、オルガンも含めてものすごい音がする。しかし、私がこのCDで一番好きな演奏は、サロメの七つのヴェールの踊りだ。カラヤンのサロメというと、ウィーンフィルとの名盤(全曲)があるのだが、七つのヴェールの踊りだけに関して見れば、私はこのベルリンフィル版をとる。サロメといえば、オーボエ・・・となるが・・・それも勿論すばらしいのだが、私はフルートのすばらしさに注目したい。このソロはただ者ではない。ちょっとツェラーっぽくないような気がする。ゴールウェイによる数少ない演奏の一つではないかと推測しているのだが、どうだろう。フルートの専門家に検証してもらいたいところだ。出だしの迫力・ラストの盛り上がりもすごい。カラヤンのシュトラウスは、彼の偉大さをまざまざと見せつけてくれる素晴らしいものだ。
グールドのフーガの技法
バッハ/Die Kunst Der Fuge.1-9: Gould 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
バッハのことはよく知らないけれど、フーガの技法はバッハの最高傑作の1つではないかと思う。最後の曲は、未完に終わったことが本当に悔やまれるすばらしい曲だ。
さて、自分はグールドを結構好きだ。ゴールドベルク変奏曲は名演だと思うし、プロコフィエフやスクリャービンもいい。マイスタジンガー前奏曲や運命といった編曲物も嫌いじゃない。
グールドはバッハの録音を多く残しているが、フーガの技法については、このCD・・・オルガンで9曲・ピアノで4曲が残されているだけだ。この理由は不明だ。グールドはフーガの技法があまり好きではないのか?
オルガンは、コントラプンクトゥス第1番〜第9番。最初のほうはえらく軽薄に始まったので、やってしまったかなと思ったが、だんだんとのってきて、第9番はそれなりにおもしろい演奏になっている。
ピアノは一転して、超遅いテンポでスタート(オルガンの2倍近く)。出来はピアノのほうが良いように思える。
マイヤー+アルバン・ベルクQのブラ5重奏
/Clarinet Quintet String Quintet.2: Alban Berg Q S.meyer(Cl) Schlichtig(Va) 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
1998年、ウィーン・コンチェルトハウスでのライブ録音。ブラームスの五重奏のザビーネ・マイヤーによる録音は、若い頃のウィーン弦楽六重奏団員との以来2度目だ。全体的な完成度は、前回のほうが良いような気がするが、クラリネットの美しさは今回のほうが良いように思う(演奏・録音両面で)。また、伴奏は多少荒っぽく感じることがある。良くも悪くもライブ的か。
ザビーネ・マイヤーは多少人気が先行している感もあるが(多分、売れるんだろう)、やはり、優れた奏者だと思う。最近は教師としても実績をあげているようだが(ブリスとか)、教師として選ばれる理由はわかるような気がする。美しいが、表現力がある。表現のために多少崩れることを恐れないというか・・・。それは好みがわかれるかもしれないけど。ライスターやウラッハのように、基本崩さないというのが良い人もいるだろうから。
ヒビキ・ハナ・マ by クセナキス
/Electronic Works Vol.2 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
最近、クセナキスにはまっている。このDVDに入っている「ヒビキ・ハナ・マ」(=「Reveberation・Flower・Interval」)は、武満徹の委嘱によって、大阪万博の鉄鋼館のために作曲されたものだ。800超のスピーカーを持つ特殊な会場である。それを5+1チャンネルにリミックスしてある。曲名だけは知っていたが、こうやってDVDで入手できるようになるとは良い世の中になったものだ。しかし、残念ながら自宅ではステレオしかないので、雰囲気だけ・・・。でも音が飛び交っている様子はよくわかる。
映像も見られると楽しみにしてたけど、音だけでちょっと残念(Vasarelyだけは映像作品なので絵が入っている)。