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ロシアによる周辺民族への搾取

虚栄の帝国ロシア—闇に消える「黒い」外国人たち

中村 逸郎

岩波書店


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ロシアの現在の繁栄(資源安でやばくなっているかもしれないが)は、周辺の貧しい旧ソ連の国々・・・アゼルバイジャン・タジキスタン・キルギスタン等の低賃金労働者によって支えられている。彼らのほとんどは不法就労者である。しかし、行政はまともに正規な労働者として受け付ける気はなく、不法就労は野放しになっている。彼らは、何の保証もなく(契約書すらない)、死んでしまっても人知れず処理されてしまったりすることもある。警察官たちは不法就労を見逃す代わりに袖の下を受け取り、彼らから旅券を奪ったりする犯罪もある。結構センセーショナルな感じで書かれている。著者自身による取材に基本的に基づいているので、リアリティはあるが、一般論としてみてどうかという疑問は多少生じる。この問題は日本にとっても他人事ではない。若年労働力の現象と、不況の長期化で企業が背に腹は替えられなくなったときに、外国人労働者の受け入れの問題は発生するだろう。日本人の数分の一の給料で喜んで働くアジア人はいっぱいいるに違いない。


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