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小説「ノルウェーの森」
映画を見て興味を持ったノルウェーの森を読んでみた。自分はおもしろいと思った。映画で感じたような不可解さはなく、賛否両論ある部分もあるとは思うが、ちゃんとした小説だった。映画は原作から逸脱しないようにしていることがわかったが、大事な部分が抜けているような気がする。
映画の最大の問題は、「レイコさん」をちゃんと描けていないことではなかろうか。原作では、非常に重要な人物なのに、映画ではかなり描写が省略されている。だから、例えば、ラストのくだりがとても不自然に感じる(原作でも微妙だとは思うが)。
映画がDVD化されたら、もう一度ちゃんと確認してみよう。疑問点が多少解決するかもしれない。あれをまた全部見るのかと思うと少しつらい気もしないでもないけど。
ハーディングのブラームスSym3+4
“ブラームス:交響曲第3番&第4番” (ハーディング(ダニエル))
2001年の録音で、最近は安く買うことができるようだ。最近ブラームスをやる必要があったので、引っ張り出してきた。ピリオドの成果を室内オケに取り込んだ名演。とても繊細で美しい。これを聞いて、すっかりハーディングのファンになってしまった。このときは、きっとラトルのような指揮者になるのでは、と期待させたが、その後、あまり目立った録音は残していないように思う。先日、スウェーデン放送響との来日公演の巨人(初日の横須賀)を聞いたが、普通にとても良いのだが、あまり独自性やカリスマ性は感じられなかった。伸び悩んでいるのだろうか?
この録音のクラリネットは一聴の価値がある。両曲ともに大変素晴らしい。こういう演奏が、現代的な正しいクラリネットだと私は思う。ドイツ式とかフランス式とか感じさせない、インターナショナルで豊かな響きである。
ドイツ・カンマーフィルはその後P.ヤルヴィに指揮者が変わって、最近はベートーヴェンの交響曲全集を録音している。そのうちDVD買って見よう・・・
スンガバ杉田店
地元にインド料理屋が出来たので行ってみた。カレーとナンだけだとランチ590円というのが売りの一つ。Dセット1000円を頼んだ。味はまあまあという感じ。カレーではチキンは良かったが、プラウンはトマト味が強くて深みに欠ける。焼き物(タンドリチキン)はまあまあか。ナンは普通にうまい。同じ杉田だとタージ・タンドールよりは若干味が落ちるが安いという感じ。辛口で頼んだが、あまり辛くなかったのはマイナス。頼めばやってくれるのかもしれないが。駅ナカなので便利。
キャッチャー・イン・ザ・ライ
この村上訳で初めて読んだ。文章はいかにも村上春樹という感じで、鬱陶しいと最初思うけれども、段々と慣れてきて、これはこれで雰囲気とあっていると思うようになる。作品には感動した。しかし、これはいろいろな解釈ができるだろう。単純に青春って素晴らしいみたいにはならない。主人公は純粋らしくも見えるが、未熟にも見える。その単純には割り切れないところが、傑作たる所以なのかもしれない。一般的なタイトルである、「ライ麦畑でつかまえて」は良くない訳だと思った。村上春樹がこのタイトルをつけたのは理解できる。
Xenakisの弦楽四重奏
“Xenakis: Complete String Quartets” (Complete Strings Quartets;The Jack Quartet)
自分が購入したのは上のCDではなく、同じ演奏のDVDである。これを聞いて、Xenakisが素晴らしい作曲家であり、西洋近代音楽の正統なる継承者であると感じた。メシアンやシュトックハウゼンより自分にはしっくりくる。Xenakisの特徴は「暴力的」なことだと思う。荒っぽく、うるさい音楽を作れば暴力的になるかというと、そうでもない。Xenakisのの音楽には、他の作曲家にはない、激しさや厳しさが感じられる。それは人間の本質の一部であって、とても魅力的だと思う。
帰ってきたオシム(book review:「考えよ!」)
オシム元監督は脳梗塞で倒れて、日本サッカー代表監督を続けられなくなったが、不幸中の幸いで脳にはダメージがなく、監督業は無理としても、リハビリを続けながらサッカーに関わる仕事を再開している。この本は4月に出版された彼の最新の著書であり、南アフリカワールドカップの展望や、日本代表への提言等の最新の話題が彼自身の言葉によって語られており、とても興味深い。彼は監督をやめてからも、日本サッカーについての関心を失っておらず、中村(俊)vs本田や、日本のFwについて等、我々が興味ある話題に答えている。サッカーにおける「dicipline」の重要性を強く説いている。ひらめきや思いつきではなく、ルール・規律・秩序を持ってサッカーするという考え方だ。自分はサッカーには詳しくないので、彼が言うことが、どの程度一般的で、どの程度オリジナルであるかが、あまりわからないのだが、サッカー好きにも、そうでない人にも勧められる好著だと思う。あっという間に読み終わってしまうけど・・・
Tashiのモーツァルト
“タッシ・プレイズ・モーツァルト~クラリネット五重奏曲&ピアノと木管のための五重奏曲(紙ジャケット仕様)” (タッシ)曲(紙ジャケット仕様)” (タッシ)
Tashiはメシアンの世の終わりの四重奏を演奏するのが、最初の目的で結成されたピアノのピーター・ゼルキンを中心とした4人のアンサンブルである。このころのピーター・ゼルキンはヒッピーっぽい格好で突っ張っていて(死語?)演奏はテンポ遅目で瞑想的な感じだった。メシアンはそんな感じがフィットしてとても良い演奏である。クラリネットは、ストルツマンである。彼はここでデビューした。
このCDだが、やはりやや遅めのテンポで演奏されている。二つの曲ともに、それほどすごい演奏というわけではなく、今となってみると、特に聞く理由はあまりないかもしれない。ストルツマンはまだこのころは彼の個性を完成していない感じだが、クラリネット五重奏ではその片鱗は見せている。
プロコフィエフ:交響曲全集
“プロコフィエフ:交響曲全集” (ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, シュミット(アンドレアス))
N響アワーで先日7番をやっていて、クラリネット的にはこれはちょっと聞いた方がいいかなと思って、全集を探してみた。結局横浜タワーで売っていた中で一番安かった、この小澤・ベルリンの演奏を購入した。
演奏は全体にあまり良いとは思えない。クラリネットは多分ライスターじゃないし、オーボエもコッホとはとても思えない。二軍(?)の演奏なのか、単にリハ不足なのか・・・。全体の中では良く聞く5番等よりも、3番や4番等のややモダンな感じの曲のほうが良く感じた。1番はもっと軽く美しくやったほうが良いし、7番も改善の余地があるように思う。録音された当時はプロコフィエフの録音は少なかったので、これで良かったのかもしれない。しかし、現代の耳で聞くと微妙な感じだ。
Spaendonckのソナチネ集
ソナチネばっかり集めたというちょっと珍しいCD。Bacri・Chevreuille・PootはWorld premiere recordingsだそうである。まず、ジャケットの写真にびっくり。Spaendonckってこんなおじさんだっけ・・・。世代としてはモラゲスやメイエより下で、30台くらいと思っていたけど・・・単に髪の毛の問題かも。この中でクラリネット奏者に馴染みがあるのは、Martinuだろう。この曲はまとまっていて、素人にも解釈しやすく、適度に難しく、レッスンでも取り上げられることが多いだろう。
演奏は良いと思う。フォルテはフランスらしいかなり明るい感じで吹くが、ppの感じは美しい。
フィストゥラーリの白鳥湖
“Tchaikovsky: Swan Lake [Highlights] [Australia]” (Tchaikovsky, Fistoulari, Concertgebouw Orch)
先日、戸塚市民オケの白鳥の湖を聞いてから、白鳥の湖にはまっている。手元にあったプレヴィン版があまり満足できなかったので、これを購入した。これは1961録音の古い演奏で、LP時代の名盤と呼ばれていたものだそうだ。オケはコンセルトヘボウ管である。古いが録音は結構良く、この時期としてはほぼベストと思われる。バランス良いし、個々の楽器の音もきれいにとれている。ただプレヴィン版に比べるとやや弦の厚みを薄く感じる。演奏は名演と言われたのは何となく納得できる。端正で美しい感じの演奏だ。それに比べるとプレヴィン版はアバウトな感じは否めない。しかし、管楽器奏者の観点からすると、オーボエ・クラリネットのオールドスタイルな軽い感じはがっかりする。ちなみにプレヴィン版もオーボエはあまり良いとは思えず、白鳥湖というオーボエの代表曲でどの演奏を聞けばいいんだ・・・という気分になる。
このCDはバレエからの抜粋版である。白鳥湖には組曲もあるが、感動のラストを欠いているというトンデモなもので、アマオケで演奏する場合は抜粋版のケースが多い。CD化も同じ悩みがある。このCDはLPになるときに1枚で収まるように選曲されたのだろう。第1幕の有名なワルツではリピートがカットされていてかなりがっかりする。バレエを全曲収録するとCD二枚となる。しかし、バレエを音楽だけ聞くと結構退屈な箇所もある。まあ、今はPCで音楽聞く時代だから全曲買って好きな曲だけ自分で抜粋して自分だけの抜粋版で聞くというのが正解かもしれない。