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贈与税減税は骨抜きになった

リンク: ばら撒くよりも、カネを動かせ:「贈与税改正」発案者が語る.
私も贈与税減税には懸念の投稿をしたが、結局骨抜きになってしまった。住宅に限って500万円への生前贈与の税控除枠拡大となった。これは全く無意味な政策だ。なぜなら、住宅取得に関しては既に「相続時精算課税制度」があるからだ(平成21年12月31日までの時限制度)。これは、住宅目的の生前贈与に対して、贈与税の3500万円の特別控除があり、それを相続時に相続税の計算に加算させることができるものだ。だから、500万円の枠がなくても3500万までは実質、生前贈与できるのだ。総理の顔を立てるために一応入れたということか。
現在、相続税の基礎控除は、5000万円+1000万円×法定相続人の数だ。それを考えれば、自分もこの人が言うように3500万円くらい生前贈与させることは、許されるのではないかと思う(それがいやなら、相続時精算の使い道を拡大してもいいし)。金持ちに対する減税という批判は、正当ではない。相続に関する制度を知らない人によるものだ。相続税逃れを許すのは望ましくないが、生前の所得移転はある程度認めてもよいはずだ。
こういうポピュリズム的な反応で、政策が実行されないのは、懸念される政治状況だと言って良いであろう(ただし、贈与税減税・生前贈与枠拡大に対しては、その枠が小さすぎて景気対策として意味がない、という批判はあり、自分もそれには同意する。)


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