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「clarinet」カテゴリーアーカイブ
YouTubeにチャンネルを作りました – ggszk’s music notes
まだ一つしか動画ありませんが、少しずつソロやアンサンブルを公開、解説などしていこうと思います。
— 読み進める ggszk.hatenablog.com/entry/2020/04/20/001055
次の出番:プーランク 牝鹿
牝鹿のバスクラを担当します。
新世界は持ち替えすべきか?
来週の演奏会で新世界をやることになっている(2楽章だけだけど).新世界の管指定は,2楽章のみA,B管持ち替えで,その他はA管である.2楽章で,B管を使用する箇所はごくわずかで,いわゆる「レ〜ドレラド〜(でいいのかな)」のソロがある3箇所の近辺(持ち替えとしては2回)のみである.で,演奏会の他の3曲は,すべてA管使用だった(これは割りと珍しい).となると,まあ,普通に考えれば2楽章ちょっとだけだし,全曲A管で通そうかなと思うのが自然である.
しかし・・・実はこの2楽章のソロをA管で吹くと,(あの忌まわしい,ベーム式クラリネットの弱点である)ファ#から開始することになってしまう.そう,先日のグレートのときと同様の問題(2楽章をB管で吹くとファ#から入らなきゃいけない→管としては逆だけど)にぶちあたってしまうのである.
両方の管で試してみて,いろいろ考えたのだけど,結論としてはB管で行くことにした.A管だと何か感じがでない気がするのである.ファ#から入るのもイヤだけど,最後の伸ばしもミよりはミ♭のほうが感じが出やすい気がする.A管だと何か抜けた感じの雰囲気になってしまうのだ.もちろん,B管にすることによって,音程等の持ち替えリスクが発生する.しかし,ここの持ち替えの難易度は高くない.持ち替えてすぐソロではなく,その前にちょっと吹けるので音程は調整できるし,A管→B管は,その逆に比べると自分は気が楽だ(ここは人によって違うかもしれない.自分はB→Aだと鳴らしきれないことがある).
ただ,これは個人の気分の問題で,聞いてる側にはあまりわからないんじゃないか,という意見はあるだろう.そこで,参考に自分の持っているCD(7枚)はA・B管どっちかを確認してみた.指の動きから判定できるかと思ったが(B管だと2個めで3本動くとか),B管もありそうにも思えるのだが,決定的にはわからなかった(特にエーラーの場合がわからない).
ちなみに,その出演予定の演奏会の案内はこちら(戸塚区文化協会ホームページ)に掲載されてる.
自分はなぜ状況に応じた演奏を心がけないのか
自分は演奏のポリシーとして,オケなのか吹奏楽なのか室内楽かとか,ホールが大きいのか小さいのかとか,状況に応じて演奏することをあまりしない(意識しない)ようにしています.その理由はうまく説明しにくいのですが,野球のピッチャーに例えるならば,新しい慣れない球場に行ったら,マウンドの傾斜が若干違っていて,それに対応しようとバランスを調整したら,腕の振りが鈍くなってホームラン打たれた・・・みたいな感じを避けるためになります.
自分はこのようなミスを過去何度もやったことがあって,素人はとにかく細かいこと考えずに全力尽くすほうが,後悔しないことが多いのかなという気がします.ピッチャーの腕の振りは,管楽器だと息のスピードに相当します.余計なこと考えて音が死ぬというのはよくあるパターンです.
また,頭で理解して意識して何かするというのは,演奏においては極めて危険だと思っていて(これはスポーツも同じだと思う),多くの場合,過剰な対応をしがちです.頭で考えずに,感覚だけで自然と修正されるようじゃないとおかしくなる(例えば,ホールの響きの対応にしても).
状況に応じてやれと,よくアマチュアでも言う人がいますが,それってかなり高度なテクニックだと思うわけです.それほど自信のない我々は,多くの状況に対応しやすいニュートラルな演奏を心がけるほうが無難だと思います・・・(自分の考え方は結構リスク回避的).どれをやっても帯に短したすきに長しって感じになるかもしれませんがね.
グレートの大変さについて
先日の演奏会では,グレートの1stをやったわけだが,とても大変だった.しかし,なぜ大変かも何となくわかったので記録しておく.グレートのクラリネットは鬼門だな〜と昔から思っていた.いろいろ録音聴いてもあまり良いと思うことが少なかったし(そんな中で,ケルテス+ウィーンとセル+クリーブランドはかなり良かった).
グレートのクラリネットがイマイチ美しい感じにならない理由は,大きく2つあって・・・
1.パワーが要求される
自分は,グレートはバランスの取りにくい曲だと思う.Trbが多用されるのも困ったものだし,木管が埋もれやすいところが結構ある.かなり頑張って吹かなきゃいけないし,アクセントやfpが多く使われるのもイヤ.そして,柔らかく吹かなきゃいけないところできちんと切り替えができない結果になることが多い.自分は結局アシスタントつけたが,アマチュアでやるならこの曲は倍管でやったほうが良いのではと思った.しかし,このことは割りと明らかなこと.
2.実音Eの音が多用されること
これは実際やってみて気づいたこと.練習のときに,指導の先生に「グレートはミが多い曲だよね」と言われて,確かにそうだなと思った.大事なところでミの音が多用される.しかし,ミというのはベーム式クラリネットの欠点であり,音が極めて開きやすい(エーラー式ならこの問題は多分ない).この問題は,C管を使うことにより回避は可能だが,C管を使うことにより生じる問題も出てくるから,なかなか難しい.自分は2楽章までB管を使ったから(持ち替えのピッチ問題が解決できなかった),さらにこの問題は深刻だった・・・
最後に持ち替えの問題にふれとく.楽譜指定は,1,3,4楽章がCで,2楽章がAである.最近の流行は指定どおりにやることで,オリジナル楽器なら当然そうだろうし(推定だが),N響の最近の演奏でもそうしていたようだった.自分は,C管が嫌いな人間なので,最近の流行は受け入れがたく,C管の演奏を聴くたびにB管でやれば良いのにと思うことがほとんどである.ただし,C管を使えば上記2の問題は解決されるし,ピッチ的にも合わせやすくはなるの「かも」しれない.で,C管を持たない素人は,B管を使うことになるのだが,2楽章への持ち替えがかなりシビアである.2楽章の冒頭でパーフェクトにObと合わせなきゃいけないのだが,これが素人にはなかなか難しい.よくある失敗が,1楽章でガリガリ吹いて2楽章の冒頭を迎えると,Obのピッチが上がっていて,持ち替えでピッチが上がり切らないClが追いつかなくなるケースである.自分は,A管がややフラット気味ということもあって,なかなかうまくいかなくて,結局B管で全部通すことにした(この判断には中プロでBass Clをやらなきゃいけないことも大きく影響した).これは苦渋の選択である.これによって,2楽章においても上記2の問題を抱えてしまう.#系となるので,音色的に明るくなりすぎてしまうし,A管でやれば何でもないことが,いろいろ難しくなってしまう.ちなみにB管の楽譜はネットに転がっていて容易に入手できるから,そうする人もいるのだろう.しかし,CDで聴く限りではB管でやっている例はないと思う.これは今回の演奏会で悔いが残る点である.
次の出番:NTTフィル第34回定期演奏会
ヤナーチェクのBassとドヴォルザーク・リストの2ndです(トラ).
NTTフィル第34回定期演奏会
・日時:2013年11月30日(土)
開場 13:30 / 開演 14:00
・場所: すみだトリフォニーホール 大ホール
・指揮:角田 鋼亮
・演奏:NTTフィルハーモニー管弦楽団
・曲目:
A.ドヴォルザーク/交響曲 第7番
L.ヤナーチェク/シンフォニエッタ
F.リスト/ハンガリー狂詩曲 第2番
で,バレルも買った
一方,マウスピースと同時に買ったバレルはほぼ目的(ピッチを修正し,音はあまり変えない)を達成している感じ.本当はSignature純正63mmが欲しかったんだけど(昔も書いたけど,何でそもそも買った時に付属していなかったのか・・・),取り寄せで選べないし高いから,BackunのSlim typeで代用.Slim typeって本家のホームページではStudio typeとかいって,一級品には使えない木(節などがある)を使ったB級品的モデルなのであった.それをさもFat typeと同じようなモデルとして売ろうとするのって,いかがなものか,という気もしないではない(音に影響はないとは書いてあるけど).こちらはB管で所有のものとそろえる必要があったから,まあ仕方なく使っているわけだが,何となく気分はよろしくない.昔試したときは,Fat typeは音が若干広がる感じであまり好みではなかった.こういう純正以外のバレルって,クランポンの加工品とかも含めて,基本的に音が「鳴りやすい」方向で設計されている・・・と思う.客にわざわざ買わせるためには,パッと吹いたときに変わったと思わせないといけないから.しかし,気をつけないと,鳴りやすいということは,荒っぽくなることに繋がる.何かを得ようとすれば,何かを失うのは,音楽の世界でも通用する原則なのだ.こういう改造的なものに取り憑かれると,荒っぽい方向にどんどん傾いていくから十分に気をつけなくちゃと思ってる.
マウスピースの移行中
M30を一つ新しく調達.抵抗が大きすぎないやつにしようと思って注意して選んだんだけど,実際持ち帰って吹いてみると,なかなか抵抗が大きくて苦戦中.生みの苦しみなのかもしれないし,選択をミスったのかもしれない.結局,リードもマウスピースも楽器もすべては「抵抗」という点で同じなんだと思う.音っていうのは,その抵抗のバランスで決まる.で,リードもマウスピースも楽器も使い始めは(大きくても小さくても)その抵抗に慣れるために苦労する.それが生みの苦しみ.慣れるための時間は,リード<マウスピース<楽器,だろう.
自分が常に注意しているのは,自分の持っている抵抗を,リード+マウスピース+楽器の抵抗が上回らないようにすることだ.上回っちゃうと,苦しい感じになってしまう.自分は無意識のうちに重めのセッティングを選んでしまうタイプだから,意識して重すぎないように心がけている.自分の持っているパワーは有限で,それを超えることは不可能なのだ.外人?のようにはなかなかいかない.パワーっていうのは金管楽器だとよく意識されるだろうが,木管楽器だって同じだと思ってる.日本人が(木管楽器も)外人になかなか勝てない大きな要因の一つはパワーだと思っている.パワーはコントールできなきゃ何の意味もないが,ないよりはあったほうがいいに決まっているのだ.
もうちょっとやってダメだったら買い直しかも・・・???
次の出番:NTTフィル第32回定期演奏会
シュトラウスのBassとマーラーの3rd+Bassです.マーラーは持ち替えがかなり面倒・・・(C管ないだけマシだけど),だが大分慣れた・・・
・日時:2012年12月24日(月・祝)
13:00開場/13:30開演
・場所: すみだトリフォニーホール 大ホール
・指揮:田部井 剛
・独唱:佐々木 典子
・演奏:NTTフィルハーモニー管弦楽団
・曲目:
G.マーラー / 交響曲第4番
F.リスト / 交響詩「前奏曲」
R.シュトラウス / 4つの最後の歌
アンサンブルのお知らせ(ベト七重奏)
一週間後の戸塚区ふれあい文化祭で,ベートーヴェンの七重奏曲(第1楽章のみ)をやります.
戸塚区民オーケストラ有志によるアンサンブル
日時:2012年10月28日(日)18:15~19:45(自分の出番は最後)
場所:戸塚公会堂