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ガチ定番:カラヤンのシュトラウス

R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラ」/ティル/ドン・ファン Music R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラ」/ティル/ドン・ファン

販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック
発売日:2008/06/25
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ちょっとネタ切れなので、昔のCDのレビューを・・・。
このリンクは最近発売のSHM-CD(高音質CD)だが、自分は通常のCD版(外盤)しか持っていない。SHM-CDは興味があるところだが、まだ買えていない。入手できたら、レビューしようと思う。
さて、演奏についてだが、このツァラトゥストラは、録音・演奏ともに、この曲の最高と言われる、まさに「ガチな」定番だ。序奏部のサウンドは、オルガンも含めてものすごい音がする。しかし、私がこのCDで一番好きな演奏は、サロメの七つのヴェールの踊りだ。カラヤンのサロメというと、ウィーンフィルとの名盤(全曲)があるのだが、七つのヴェールの踊りだけに関して見れば、私はこのベルリンフィル版をとる。サロメといえば、オーボエ・・・となるが・・・それも勿論すばらしいのだが、私はフルートのすばらしさに注目したい。このソロはただ者ではない。ちょっとツェラーっぽくないような気がする。ゴールウェイによる数少ない演奏の一つではないかと推測しているのだが、どうだろう。フルートの専門家に検証してもらいたいところだ。出だしの迫力・ラストの盛り上がりもすごい。カラヤンのシュトラウスは、彼の偉大さをまざまざと見せつけてくれる素晴らしいものだ。

アバド礼賛(その2)

次に歌を含まないものを2つ挙げよう。

 /Piano Concerto.1  2: Pollini(P) Abbado / Cso +2 Portraits: Mintz(Vn) /Piano Concerto.1 2: Pollini(P) Abbado / Cso +2 Portraits: Mintz(Vn)
販売元:HMVジャパン
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ポリーニ・アバドともに脂ののりきったころの名演。リズムの切れ味・強烈な掛け合い等、バルトークの魅力が満載だ。特に2番の最終楽章はジェットコースターに乗っているようなスリリングなものだ。これらの曲の決定版と言えるだろう。

 ヤナーチェク:シンフォニエッタ、他 ヤナーチェク:シンフォニエッタ、他
販売元:セブンアンドワイ
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ヤナーチェク・(特に)ヒンデミットも素晴らしいが、このCDの最大の名演は、プロコフィエフの交響曲第三番だ。あまりメジャーとは言えない曲だが、バーバリスティックな迫力がたまらない。
最後に、(おそらく彼が最も得意とする)オペラを一つ挙げよう。

 ベルク/Wozzeck: Abbado / Vpo Grundheber Behrens Raffeiner Langridge ベルク/Wozzeck: Abbado / Vpo Grundheber Behrens Raffeiner Langridge
販売元:HMVジャパン
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ルルが未完であったため、ベルクの最高傑作をヴォツェックだという人は多いだろう。この演奏は現代におけるヴォツェックのスタンダードと言える名演だ。この演奏はライブ録音だが、映像が残っていないのが本当に悔やまれる。ヴォツェックは、何というか非常に凝縮された無駄のない精緻な音楽だ。それをこの演奏は非常にクリアに表現している。HMVのユーザーレビューも概ね評価されているようなので参考にしてほしい。
(日本版で2300円で手に入るとは良い世の中になったものだ・・・あ、でも歌詞対訳がないって)
さて、以上だが、容易にわかるように、私の音楽の趣味に偏ったものだ。それは仕方ない。彼の本領はおそらくロッシーニ等のイタリアオペラで発揮されると思う。また不幸にして、私は彼とベルリンフィルが組んだ名演を知らない。それらは誰か他の人のレビューを待つことにしよう。きっとアバドが歴史に残る素晴らしい指揮者であることをネットの住民が証明してくれるだろう。

アバド礼賛(その1)

古いオーケストラに所属していると、つまらない聞きたくない年寄りの愚痴を聞くこともあるものだ。先日こういうのを聞いた。
「最近の指揮者はつまらねえ。フルトヴェングラーの時代は良かった。アバドなんてどこがいいか全然わからん。」
こういう意見は、割とよく見かけるものだ。しかし、アバドがフルトヴェングラーに比肩できるような指揮者であるかは不明だが、自分は歴史に残る偉大な指揮者だと思っているし、少なくともカラヤン程度には比較しうるだろう。フルトヴェングラーやトスカニーニは偉大だとは思うが、きちんとした録音で聞くことがほとんどできないので、その力量はノイズだらけの音源から推定するしかない。それに比べて、アバドは優れた録音の名演を、私が知る狭い範囲でも、それなりに残しているのだ。それを挙げてみよう。
まずは、彼が得意とする声を含む音楽を2つ挙げる。

 プロコフィエフ/Alexander Nevsky  Etc: Abbado / Lso プロコフィエフ/Alexander Nevsky Etc: Abbado / Lso
販売元:HMVジャパン
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アレクサンドル・ネフスキーはソ連国威発揚の曲なので、軽く見られがちだが、この演奏は圧倒的だ。冒頭からこれまでどこでも聞いたことの無いような鋭いサウンドが炸裂する。ラストの盛り上がりは感動的だ。痺れる。思想信条を超えた名演だ。ちなみに、一緒に入っている「スキタイ組曲」も定評のある名演だ。

ワルシャワの生き残り、ほか アバド&ウィーン・フィル ワルシャワの生き残り、ほか アバド&ウィーン・フィル
販売元:HMVジャパン
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ワルシャワの生き残りが超名演だ。戦慄を覚える「怖い」演奏だ。7分程度の短い曲だが、そこに刻まれた深い内容には感嘆せざるを得ない。戦争の悲劇を克明に伝えている。終結部で合唱が入る部分の圧倒的な迫力。斧が振り落とされるかのような強烈なラスト。
ちょっと長くなったので続きは後日・・・

グールドのフーガの技法

 バッハ/Die Kunst Der Fuge.1-9: Gould バッハ/Die Kunst Der Fuge.1-9: Gould
販売元:HMVジャパン
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バッハのことはよく知らないけれど、フーガの技法はバッハの最高傑作の1つではないかと思う。最後の曲は、未完に終わったことが本当に悔やまれるすばらしい曲だ。
さて、自分はグールドを結構好きだ。ゴールドベルク変奏曲は名演だと思うし、プロコフィエフやスクリャービンもいい。マイスタジンガー前奏曲や運命といった編曲物も嫌いじゃない。
グールドはバッハの録音を多く残しているが、フーガの技法については、このCD・・・オルガンで9曲・ピアノで4曲が残されているだけだ。この理由は不明だ。グールドはフーガの技法があまり好きではないのか?
オルガンは、コントラプンクトゥス第1番〜第9番。最初のほうはえらく軽薄に始まったので、やってしまったかなと思ったが、だんだんとのってきて、第9番はそれなりにおもしろい演奏になっている。
ピアノは一転して、超遅いテンポでスタート(オルガンの2倍近く)。出来はピアノのほうが良いように思える。

マイヤー+アルバン・ベルクQのブラ5重奏

 /Clarinet Quintet  String Quintet.2: Alban Berg Q S.meyer(Cl) Schlichtig(Va) /Clarinet Quintet String Quintet.2: Alban Berg Q S.meyer(Cl) Schlichtig(Va)
販売元:HMVジャパン
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1998年、ウィーン・コンチェルトハウスでのライブ録音。ブラームスの五重奏のザビーネ・マイヤーによる録音は、若い頃のウィーン弦楽六重奏団員との以来2度目だ。全体的な完成度は、前回のほうが良いような気がするが、クラリネットの美しさは今回のほうが良いように思う(演奏・録音両面で)。また、伴奏は多少荒っぽく感じることがある。良くも悪くもライブ的か。
ザビーネ・マイヤーは多少人気が先行している感もあるが(多分、売れるんだろう)、やはり、優れた奏者だと思う。最近は教師としても実績をあげているようだが(ブリスとか)、教師として選ばれる理由はわかるような気がする。美しいが、表現力がある。表現のために多少崩れることを恐れないというか・・・。それは好みがわかれるかもしれないけど。ライスターやウラッハのように、基本崩さないというのが良い人もいるだろうから。

ヒビキ・ハナ・マ by クセナキス

 /Electronic Works Vol.2 /Electronic Works Vol.2
販売元:HMVジャパン
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最近、クセナキスにはまっている。このDVDに入っている「ヒビキ・ハナ・マ」(=「Reveberation・Flower・Interval」)は、武満徹の委嘱によって、大阪万博の鉄鋼館のために作曲されたものだ。800超のスピーカーを持つ特殊な会場である。それを5+1チャンネルにリミックスしてある。曲名だけは知っていたが、こうやってDVDで入手できるようになるとは良い世の中になったものだ。しかし、残念ながら自宅ではステレオしかないので、雰囲気だけ・・・。でも音が飛び交っている様子はよくわかる。
映像も見られると楽しみにしてたけど、音だけでちょっと残念(Vasarelyだけは映像作品なので絵が入っている)。

高橋アキのクセナキス


クセナキス (1922-2001)/Comp.piano Works: 高橋アキ
すさまじい演奏だ・・・。

メシアンが到達したピアニズム

Messiaen: Catalogue d’Oiseaux

Roger Muraro

Musidisc


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ムラロのメシアンの実演があまりに素晴らしかったので、彼のメシアンのピアノ独奏曲全集(7枚組)を購入してしまいました。
上記はその中の「鳥のカタログ」です。3枚組です。正直「鳥の時代」のメシアンは少し苦手にしていました。鳥の声を、比喩的(田園のように)ではなく、完全に生の音をコピーするというのは、何か無理があるという感じがしていました。しかし、生のムラロの演奏(眼差し)を聴いて、鳥のパッセージの扱い方に説得力が感じられたので(それはかわいくなく、結構ギャラギャラとしていたけど妙に説得力があった)、これなら「鳥のカタログ」もいけるのではないかと思い、購入して聴いてみました。

3枚通しで聴き通すことができました。この音楽には全体の統一感(古典的なテーマのようなもの)がないので非常に聴きにくいのですが、局所的な音楽はメシアンのピアノ曲ならではの美しさに満ちています。ムラロはそれを丁寧に響きを味わいながら弾いています。20世紀的なピアノというものをどうとらえるかということの、メシアンなりの究極的な答えがここにはあるように感じました。

新旧メシアンピアノを比較する

自分が先日の演奏会で生で聴いたきたメシアンは以下です(昨日の全集に含まれている)。

20 Regards Sur l’Enfant Jesus


Musidisc


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ムラロのメシアンのスタイルはこれまでのどの演奏者とも違うと思ったのですが、生ではただただ圧倒されてあまり分析できませんでした。CDが手に入ったので少し分析してみました。比較対象は以下の過去のベロフの名演です。

20 Regards Sur L’enfant-jesus
Beroff

Rouge Et Noir(emi)*


ムラロのメシアンは大変に感情移入が激しい、ロマンチックなものです。例えば、音の空白部分で結構大きな間を作って、ためたりします(これは生で聴くと結構効く)。それに比べるとベロフは、ややドライでかっちりしてます。あまり大げさなことはやりません。

自分が思いついたのは、こういう図式です。

ムラロ→スクリャービン
ベロフ→バルトーク

ムラロを聴いて思い出したのは、アシュケナージのスクリャービンでした。複雑な和音やパッセージを美音で華麗に演奏します。ロマンチックです。グールドによるスクリャービンの曲の構造模型のような演奏とは対照的です。(今までメシアンをスクリャービン的であると思ったことはないけど、ニコ動のコメントにはあった。あとムラロは美音というほどではない。)

ベロフはバルトーク的だと思いました。切れ味するどいカノン等が印象的です。実際、彼はバルトークも得意なレパートリーにしています(それに対して、ムラロのスクリャービンはない)。

というように、この2つの演奏は、メシアンの持つ2つの側面をそれぞれ表しているのでした。両方ともに、甲乙つけがたいものですが、自分は実演で実際に聴いたムラロを今は選んでしまうかな・・・。ちなみに、ロマンチック感は(音は悪いけど)DVD盤があるので、そちらのほうが伝わります。間のときの表情やしぐさとかがわかるから。

ムラロのメシアン購入

Messiaen: Complete Piano Solo


Accord


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メシアン、オリヴィエ
『幼子イエスにそそぐ20の眼差し』 ミュラロ(P)(DVD)

先日生で聞いたムラロをきちんと聞いてみたくなって、全集とDVDを購入してしまいました。生の迫力にはかなり負けますが、なかなか優れた演奏でした。レビューは追って掲載したいと思います。

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