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タグアーカイブ: cd
ラサール・カルテットのベートーヴェン後期弦楽四重奏曲集
“Late String Quartets” (Beethoven, Lasalle Quartet)
かなり安くなっていた(HMVで1450円・リンクはamazon)ので購入した。ラサール・カルテットは現代曲の演奏ではかなりリスペクトしているが、この演奏は・・・身も蓋もないというか・・・どうしたらこんなにつまらなくできるのか、というほどつまらない。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲は珠玉のような作品で(14・16が特に素晴らしいと思う)、人類の宝だと思うのだが、その感動を見事なまでにはぐらかす。ある意味シュールな演奏と言えるかもしれない・・・。高橋悠治のズレ演奏にも通じるかもしれない。興味本位に聴いてみるのはよいかもしれないが、まともに聴くと多分かなり失望する。
Xenakisの弦楽四重奏
“Xenakis: Complete String Quartets” (Complete Strings Quartets;The Jack Quartet)
自分が購入したのは上のCDではなく、同じ演奏のDVDである。これを聞いて、Xenakisが素晴らしい作曲家であり、西洋近代音楽の正統なる継承者であると感じた。メシアンやシュトックハウゼンより自分にはしっくりくる。Xenakisの特徴は「暴力的」なことだと思う。荒っぽく、うるさい音楽を作れば暴力的になるかというと、そうでもない。Xenakisのの音楽には、他の作曲家にはない、激しさや厳しさが感じられる。それは人間の本質の一部であって、とても魅力的だと思う。
Tashiのモーツァルト
“タッシ・プレイズ・モーツァルト~クラリネット五重奏曲&ピアノと木管のための五重奏曲(紙ジャケット仕様)” (タッシ)曲(紙ジャケット仕様)” (タッシ)
Tashiはメシアンの世の終わりの四重奏を演奏するのが、最初の目的で結成されたピアノのピーター・ゼルキンを中心とした4人のアンサンブルである。このころのピーター・ゼルキンはヒッピーっぽい格好で突っ張っていて(死語?)演奏はテンポ遅目で瞑想的な感じだった。メシアンはそんな感じがフィットしてとても良い演奏である。クラリネットは、ストルツマンである。彼はここでデビューした。
このCDだが、やはりやや遅めのテンポで演奏されている。二つの曲ともに、それほどすごい演奏というわけではなく、今となってみると、特に聞く理由はあまりないかもしれない。ストルツマンはまだこのころは彼の個性を完成していない感じだが、クラリネット五重奏ではその片鱗は見せている。
プロコフィエフ:交響曲全集
“プロコフィエフ:交響曲全集” (ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, シュミット(アンドレアス))
N響アワーで先日7番をやっていて、クラリネット的にはこれはちょっと聞いた方がいいかなと思って、全集を探してみた。結局横浜タワーで売っていた中で一番安かった、この小澤・ベルリンの演奏を購入した。
演奏は全体にあまり良いとは思えない。クラリネットは多分ライスターじゃないし、オーボエもコッホとはとても思えない。二軍(?)の演奏なのか、単にリハ不足なのか・・・。全体の中では良く聞く5番等よりも、3番や4番等のややモダンな感じの曲のほうが良く感じた。1番はもっと軽く美しくやったほうが良いし、7番も改善の余地があるように思う。録音された当時はプロコフィエフの録音は少なかったので、これで良かったのかもしれない。しかし、現代の耳で聞くと微妙な感じだ。
Spaendonckのソナチネ集
ソナチネばっかり集めたというちょっと珍しいCD。Bacri・Chevreuille・PootはWorld premiere recordingsだそうである。まず、ジャケットの写真にびっくり。Spaendonckってこんなおじさんだっけ・・・。世代としてはモラゲスやメイエより下で、30台くらいと思っていたけど・・・単に髪の毛の問題かも。この中でクラリネット奏者に馴染みがあるのは、Martinuだろう。この曲はまとまっていて、素人にも解釈しやすく、適度に難しく、レッスンでも取り上げられることが多いだろう。
演奏は良いと思う。フォルテはフランスらしいかなり明るい感じで吹くが、ppの感じは美しい。
フィストゥラーリの白鳥湖
“Tchaikovsky: Swan Lake [Highlights] [Australia]” (Tchaikovsky, Fistoulari, Concertgebouw Orch)
先日、戸塚市民オケの白鳥の湖を聞いてから、白鳥の湖にはまっている。手元にあったプレヴィン版があまり満足できなかったので、これを購入した。これは1961録音の古い演奏で、LP時代の名盤と呼ばれていたものだそうだ。オケはコンセルトヘボウ管である。古いが録音は結構良く、この時期としてはほぼベストと思われる。バランス良いし、個々の楽器の音もきれいにとれている。ただプレヴィン版に比べるとやや弦の厚みを薄く感じる。演奏は名演と言われたのは何となく納得できる。端正で美しい感じの演奏だ。それに比べるとプレヴィン版はアバウトな感じは否めない。しかし、管楽器奏者の観点からすると、オーボエ・クラリネットのオールドスタイルな軽い感じはがっかりする。ちなみにプレヴィン版もオーボエはあまり良いとは思えず、白鳥湖というオーボエの代表曲でどの演奏を聞けばいいんだ・・・という気分になる。
このCDはバレエからの抜粋版である。白鳥湖には組曲もあるが、感動のラストを欠いているというトンデモなもので、アマオケで演奏する場合は抜粋版のケースが多い。CD化も同じ悩みがある。このCDはLPになるときに1枚で収まるように選曲されたのだろう。第1幕の有名なワルツではリピートがカットされていてかなりがっかりする。バレエを全曲収録するとCD二枚となる。しかし、バレエを音楽だけ聞くと結構退屈な箇所もある。まあ、今はPCで音楽聞く時代だから全曲買って好きな曲だけ自分で抜粋して自分だけの抜粋版で聞くというのが正解かもしれない。
ラフマニノフの交響曲と花輪高校
“ラフマニノフ:交響曲全集” (アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 アシュケナージ(ヴラディーミル))
安くなっていたので買ってみた。ラフマニノフは実はあまりちゃんと聞いていなくて、1番・3番は初めてCDを買った。演奏だが、全体にはやや荒っぽい(1>2>3の順で荒いか・・・)。しかし、何となく感情に流される感じの演奏は、ラフマニノフの雰囲気にはそれほど合わないわけではない。録音は残響多めでよさげな感じもするが、玄人うけするかどうかはわからない。
2番は久々にちゃんと聞いたが、やはり名曲なんだろう。構成力はあまりないが、音楽は豊かだ。3番はやや渋めで一般受けはしない感じだ。1番の全曲を初めて聞いたが、結構おもしろい。2番ほどの魅力はないかもしれないが、わかりやすいし、終楽章はなかなかかっこよい。2番の終楽章より好きだ。この1番の終楽章は昔々、秋田の花輪高校が吹奏楽コンクールの自由曲で演奏していて(全国大会金賞)よく聞いていた。その編曲前を初めて聞いたわけだが、その原曲と編曲のかなりの違いに驚いた。カットは相当に大胆だし、楽譜も結構変えていて、単なる編曲というよりも、一種の作曲に近くなっている。小林久仁郎恐るべしと思った。
ミヨー作品集
“ミヨー:管弦楽曲集、ピアノ曲集(2枚組)” (Brilliant Classics)
バーンスタイン指揮のオーケストラ曲と、ベロフらのピアノ曲が入っていて2枚で1000円程度のお得なセット。世界の創造が素晴らしい演奏。
フックスによるニールセン等
“Martinu, Nielsen, Koechlin: Serenade” (Supraphon)
フックスはその前任のカール・ライスターが、(玉石混淆な)多数の録音を残したのに対して、それほど録音は多くない。そんな中最近、ホルンのバボラークと組んだ録音を出した。曲は、ニールセン・マルティヌー・ベリオ等で、すべて初めて聴く曲で、編成はCl・Hr+弦等で、やや特殊である。
フックスの演奏は、非常に軽快で巧みである。ベルリン・フィルを聴いても、そういう印象を受けていたが、アンサンブルは特に強くそれを感じる。でも、カリスマ性はあまりないかな・・・。バボラークのほうはカリスマ性があるような気がする・・・
Mahler Sym.No4の室内楽版
Mahler Symphony No. 4; Lieder eines fahrenden
販売元:Capriccio |
真のマーラー好きは、こういう際物は聴かないのかもしれない。これはLinos Ensembleによる室内楽版である。編成は、フルート・オーボエ・クラリネット・2本のヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・バス・ピアノ・ハーモニウム・打楽器である。オーケストラの厚みは得られないものの、一人一人の音と表現が非常に良く分かる。クラリネットもとてもリアリティのある音に録れている。生々しい。オーケストラのような全体を録らなければならない録音ではこのようなことはできない。自分はこういったオーケストラの室内楽版というのがとても好きで、CDを見つけると大体入手している。Linos Ensembleの演奏も素晴らしい。